東洋医学と肌トラブル

    東洋医学と肌トラブル

    東洋医学では「心(しん)」は血液循環と精神活動をつかさどり、その状態は特にお顔に現れると考えます。例えばストレスや寝不足で「心」が乱れると、ニキビ、クマ、くすみなどの肌トラブルや、むくみ、動悸、不眠を引き起こします。そのため心と体は切り離せない一体のものとする『心身一如(しんしんいちにょ)』の観点から、精神的な安定と質の高い睡眠が美肌に不可欠になります。

    肌育の基本はターンオーバー

    肌を優しく育てていくことが、美容ケアの中でもスタンダードになってきています。その肌に大切なことのひとつが、ターンオーバーを正常化することです。ターンオーバーが正常化していくと、私たちの肌の水分量を司る細胞幹脂質や天然保湿因子がしっかりつくられます。

    そして最終的には、きちっとした角層になり、そのバリア機能もしっかりすると内側の水分も逃げず、外刺激にも強くなります。つまり表皮のターンオーバーが正常化することによって、バリア機能が正常化することで表皮がしっかりします。当然、表皮が状態が良いと真皮の状態も良くなりす。このようにターンオーバーを正常化させることがすごく大事です。

    肌の潤いを高める方法

    保湿クリームを塗るだけでは不十分で、肌の潤いを高めるためにはいくつかのポイントがあります。そもそも肌の潤いとは医学的には、角層の水分量のことを言います。角層は最も外側にある層のことで、外的な刺激から肌を守る重要な役割を担っています。これをバリア機能と言い、このバリア機能を高めることが重要です。

    この肌のバリア機能は、内的な要因と外的な要因の2つによって左右されます。まず内的な要因には、肌に本来備わっているバリア機能を担う3つの要素が関係します。それが皮脂、天然保湿因子、細胞間脂質です。まず皮脂の分泌量は、かなり個人差があります。体質によっては元々皮脂の分泌量が少なく、乾燥しやすい方がいらっしゃいます。この皮脂の分泌量は、体質的な要因に加えて加齢によっても低下します。

    次に天然保湿因子は、表皮の細胞内に水分を保持してくれるものです。天然保湿因子は、アトピーの方など体質によっては低下しやすい方がいらっしゃいます。最後の細胞間脂質は、肌構造のレンガとモルタルでいうモルタルに当たるもので、 その名の通り皮膚の細胞の間に存在します。細胞間脂質が細胞の間の隙間を埋めることによって、肌の中から水分が蒸発するのを防ぐ役割を果たしてくれています。これらの3つがバリア機能として肌の中の水分を保持しながら蒸発を防ぐのに重要な役割を果たしています。

    一方で、外的な要因には、気温や湿度が低いとバリア機能は低下しやすくなり、乾燥をもたらすようになります。また紫外線もバリア機能を低下させる主な原因となります。これらは私たちがコントロールできないですが、いずれにせよ誤ったスキンケアで自ら乾燥を招いてしまっている方が一定数いらっしゃいます。

    シワと細胞マトリックス

    まず私たちの皮膚は表皮、真皮、皮下組織の3つの層に分かれており、中でも特に重要なのが真皮です。シワの主な原因にはここで起こる変化があり、真皮層には肌の弾力を保つ重要なタンパク質、主にコラーゲンとエラスチンがあります。

    コラーゲンは肌にハリを与え、エラスチンは肌の柔軟性を保つ役割があります。つまり年齢と共にこれらの生成量が減少し、シワの原因になります。一方で細胞外マトリックス(細胞の周りを取り囲む物質の総称)には、コラーゲンやエラスチン以外にもヒアルロン酸などの水分を保持する成分も含まれています。この構造が崩れることでシワが形成されやすくなるため、シワケアには総合的なアプローチが必要になります。

    その他には老化のプロセスも関わっており、年齢と共に皮膚の新陳代謝が遅くなり、コラーゲンやエラスチンの生成量が減少、それに加えて皮下脂肪も減少します。その結果として肌のハリや弾力が失われてシワが目立つようになります。

    また、紫外線が肌老化の7割を占めているとも言われており、特にUVAは要注意で、UVAは真皮まで到達してコラーゲンやエラスチンを分解してしまいます。さらに活性酸素の生成も促進して細胞を傷つけ、このダメージが蓄積されるとシワの形成が加速してしまいます。

    一方で生活習慣の影響もあり、喫煙、過度な飲酒、不規則な生活、ストレスがあり、特に喫煙は要注意です。タバコは血管を収縮させて皮膚の酸素や栄養の供給を妨げます。当然、適度な運動、バランスの取れた食事、十分な睡眠も大切です。

    ちなみにシワにも種類があり、大きく分けてその原因には3 種類あります。それは表情、重力、乾燥によるものです。まずは表情シワ、これは笑ったり眉を潜めたりする表情の繰り返しで生じるシワです。年齢と共に皮膚の弾力が失われて固定化します。次は重力の影響で生じるシワです。年齢と共に皮膚の弾力が低下して重力に抵抗できなくなり、フェイスラインの変化にも影響します。乾燥シワは肌の水分不足によって生じる細かいシワのことです。特に目の周りや唇の周りに現れます。

    シワの予防

    シワ予防には、日々のケアが重要です。20代から30代でも目尻や口元に細かい表情シワが現れ始めますが、この年代はまだ皮膚の回復力が高いため適切なケアをすれば予防や改善が可能で、紫外線対策と保湿が基本です。これを怠ると早期にシワが定着しちまう可能性があります。

    40代から50 代になるとホルモンバランスの変化や代謝の低下でシワが目立ち始めます。特に目の下や口元のシワが深くなったり、ほうれい線が顕著になったり、首やデコルテにもシワが現れ始め、肌全体のハリや弾力の低下が感じられるようになります。この年代は保湿に加えてエイジングケア製品を使うのが効果的です。

    そして60代以降は、皮膚の構造変化が進み、深いシワが増加します。特に頬のたるみや首のシワが顕著になり、全体的に肌質が変化していきます。この年代では予防よりも健康的な肌を維持することや、シワと上手に付き合うことが重要になります。

    どの年代でも大切なのは自分の肌と向き合って適切なケアを続けることです。当然年齢以外にも環境汚染、ストレス、睡眠不足などの外的要因もシワの原因になります。例えば大気汚染物質やPM2.5は、肌の酸化を促進してシワの形成を加速させます。そのため帰宅後の丁寧な洗顔や抗酸化成分を含んだスキンケア製品を使うのが効果的です。

    また、ストレスもシワの原因になり、ストレスは体内でコルチゾールというホルモンを増加させてコラーゲンの分解を促進します。またストレスで表情が硬くなると表情のシワ形成も加速してしまいます。そして睡眠中は肌の修復や再生が行われるため、睡眠不足はこのプロセスを妨げて肌の回復力を低下させてしまいます。つまり睡眠不足はストレスホルモンの分泌も増やすため、シワの形成を促進してしまいます。そのため質の高い睡眠を取ることが美肌の近道となります。

    東洋医学と肌トラブル

    肌は、紫外線による外的ダメージだけでなく、ストレスや寝不足による自律神経の乱れ、食生活のの乱れによる消化不良といった体の内側の不調によっても左右されます。また朝晩の寒暖差や冷暖房による外気温差によって自律神経が乱れやすく、気分が不安定になったり、体がだるく感じたりすることも多いでしょう。

    一方で、人の体は加齢とともにホルモンバランスが変化することよって、肌のバリア機能が弱まりやすくなります。例えば肌の乾燥は、皮脂や天然保湿因子が減少し、水分保持力が低下するためです。またたるみは、コラーゲンやエラスチンの減少、血流の滞りが挙げられます。これらの結果、肌の保護機能を低下させ、乾燥、たるみ、くすみ、肌荒れなどの肌トラブルを引き起こします。

    こうした肌トラブルは、単なる肌ケアの問題ではなく、肌は心と体の健康を映す鏡として東洋医学では捉えます。東洋医学では、肌の状態は「気・血・水」の巡りと深く関わっていると考えます。例えば肌の乾燥は、陰虚(うるおい不足)や血虚(血の不足)が原因とし、たるみは、気虚(エネルギー不足)や脾胃の弱りによるものと考えます。いずれにせよ、肌トラブルは単なる外側の問題ではなく、体全体のバランスの乱れが表面化したものと考えるのが東洋医学の特徴です。

    東洋医学で診る「見た目が若い人」

    同じ年齢でも見た目が若い人、そのような人を東洋医学では「血虚(けっきょ)」という状態が深く関わっていると考えます。この「血虚」は、その言葉通り、単に血液の量が少ないだけでなく、その質や血液が全身に栄養を運ぶ血の巡り(血行)も含みます。血液は全身の細胞に栄養を届け、老廃物を回収する役割を担っており、当然機能が低下すると、肌のハリやツヤ、見た目の若々しさにも影響が現れます。

    そして東洋医学の「肝」は血液を貯蔵し、全身の血液が不足しないように血流を調整する重要な役割も担っています。つまり「肝」の気の巡りが悪くなると、全身で血液が不足する状態「血虚」になります。

    一方でたるみは、気虚(エネルギー不足)や脾胃の弱りによるものです。例えば人間関係による疲れ、仕事のストレスなどは、精神的な症状と深く関わり、これによって気の巡りが滞ると、「気滞(気虚)」や「肝鬱」といった状態が現れます。

    東洋医学では、「気」という性質は「肝」と深く結びつき、「肝」は全身の気の流れが滞らないようにコントロールする重要な役割を担っています。そして「気」は、自律神経の機能に似ており、私たちの心身のバランスを調整する働きを担っています。例えば悩みすぎれば「肝鬱」を招き、過剰な肝鬱は「肝」によって管理されている「脾」に負担がかかり、その働きを低下させてしまいます。

    また、たるみは脾胃の弱りによるものしますが、東洋医学の「脾」は消化器系の働きを担っています。例えば食べ物の消化吸収や吸収した栄養を他の部位へ輸送したりする働きです。また呼吸と免疫にも関係しており、そのため「脾」が弱ると、体の運行機能は低下し、いわゆる「脾気虚」の状態になります。

    ちなみに中国最古の医学書「黄帝内経」によると、「七十歳、脾気虚、皮膚枯。」と記されており、これを訳すと「脾が気虚になると皮膚は枯れて、ツヤがなくなりくすんでしまう」と示されています。そのため脾を養生することが、肌のアンチエイジングにつながります。

    また「脾」は、食べ物の消化吸収の働きだけでなく、血を体全体に巡らせる働きも持っています。そのため「脾」の働きが弱まると「脾気虚」となり、美しい肌のための栄養素が運べなくなります。特に「脾」は「口」を司っているため、口の周りが乾燥してカサカサになり、口元のシワだけでなく全体的に老けた印象を招きます。さらに「脾」は、体内の代謝にも関与しているため、脾胃の働きが弱ると、むくみやすい体質になってしまいます。この「脾」の働きを低下させる一番の原因が食習慣のため、食習慣を改めることで「脾」の養生に繋がります。

    そして東洋医学では、「脾」は『後天の本』と呼ばれ、私たちが健康的で美しく、健やかに生きていくためには、まず養生しないといけない根本的な場所になっています。そのため「脾」の養生だけは必ず意識するようにしましょう。

    さらに東洋医学では「肺は肌を司る」とされ、肺が弱ると肌の潤い不足になります。肺は呼吸と皮膚を司る臓器なので、呼吸が浅いと血流が滞り、顔色のくすみの原因になります。そのため深く呼吸することも心がけましょう。

    バリア機能を高めるポイント

    バリア機能を高めるためには保湿が重要です。保湿アイテムを選ぶ際に、成分で選ばれている方が多いと思います。バリア機能を高めるために有効な成分の1つがセラミドです。セラミドは、バリア機能を担う細胞間脂質の主成分となる成分です。そのためセラミドをスキンケアで取り入れることは利に叶っており、バリア機能を高めるためにもおすすめの成分です。

    ただし、セラミドだけでは不十分で、細胞間脂質はセラミドが主成分ですが、それ以外にコレステロールや脂肪酸などで構成されています。これまでの報告では、セラミロドを単独で取り入れた場合とコレステロールや脂肪酸などと一緒にセラミドを取り入れた場合、一緒に取り入れた方がより保湿作用が高かった報告がいくつかあります。

    そのためバリア機能を高めるためには、ただセラミドを取り入れるのではなく、それ以外のコレステロールや脂肪酸などにも着目し、トータルで取り入れていただくことをおすすめします。

    それ以外にも天然保湿因子も、もちろん重要となります。天然保湿因子は、ヒューメクタントと言って肌の中で水分を保持してくれる成分です。またそれだけでなく肌のpHを弱酸性で保つのにも重要な成分として考えられています。 この天然保湿を補う成分としては、アミノ酸、PCAと呼ばれるピロリロカルボン酸などが挙げられます。またバリア機能をサポートする成分として、ナイアシアミド、パンテノールのような成分もおすすめです。

    ナイアシンアミドはビタミンB3のことで、セラミドの産生をサポートする成分です。また抗炎症作用や美白作用もある成分なので、例えば乾燥によって肌が痒くなり、炎症後色素沈着もある方は使いやすい成分です。またパンテノールはプロビタミンB5のことで、抗炎症作用や肌の修復作用のある成分です。

    まず1つは保湿作用が挙げられます。パンテノールは、肌の中から水分が蒸発するのを抑えてバリア機能を改善する作用があります。またパンテノールには鎮静作用、抗炎症作用も持ち合わせており、お肌が揺いでいるなというような時にパンテノールはおすすめの成分です。

    敏感肌の方は、セラミドを選ばれる方が多いですが、セラミドと比べてパンテノールは違った効果によってバリア機能を改善してくれる効果があります。そのため両方取り入れていただくと、より肌のバリア機能は改善してくれるでしょう。

    お悩み別の美容液の選び方

    一般的に美容液とは、お肌の悩みに応じた有効成分が高濃度配合されたアイテムと捉えられます。この美容液は市場にたくさん溢れており、どう選んでよいか分からない方も多いのではないかと思います。なるべく失敗しない選び方としては、成分で選ぶことが挙げられます。しかし有効成分が配合されているからと言って低い濃度だったり、製品によってまちまちです。

    そもそも美容液は、化粧品の美容液と医薬部外品の美容液に分けられます。特に美白アイテムに関しては医薬部外品のものも多いです。医薬部外品の場合は、厚労省に認められた有効成分が一定濃度配合されているものになります。そのため、効果の確実性で言うと医薬部害品のものを選ぶのも1つの手です。ただし、同じ有効成分が配合された化粧品でも、実は医薬部外品の濃度よりも高い場合もあります。そこが選ぶのが難しいでしょう。

    毛穴に有効な美容成分

    自分のお肌の悩み別に成分を選ぶことも大事です。まず毛穴は、そのタイプによって少しずつ有効な成分が変わってきます。開き毛穴の場合は、主な原因は過剰な皮脂のため、それを抑えてくれる成分が有効です。

    具体的には、アゼラインという成分が挙げられます。アゼライン酸は、様々な肌の効果が期待できる成分です。具体的には、抗炎症作用や角化を抑制して毛穴詰まりを改善する効果、そして美白効果もあります。

    それに加えて、アゼライン酸は皮脂種の分泌抑性効果が高いという点です。ただし、アゼライン酸の皮脂を抑制する効果に関しては、濃度依存的にその効果は高まると言われています。

    また、もう1つ皮脂を抑えるおすすめの成分としてナイアシンアミドがあります。ナイアシンアミドもアゼライン酸のように様々な肌の効果が期待できる成分ですが、皮脂の分泌を抑える効果以外に美白作用、コラーゲンの産生効果によるシワの改善、セラミドの産生を促すことによる保湿効果などがあります。

    さらに、皮脂を抑える成分として緑茶エキスもあります。緑茶は、皮脂の分泌を抑える効果以外に抗酸化作用もあります。特にオイリー肌の方などは使いやすい成分です。

    一方で、毛穴の中でも詰まり毛穴のタイプの場合は、ニキビの可能性があるので、もしコメドという状態であればニキビのお薬がより適用となります。ホームケアにおいては、毛穴詰まりを改善する成分がおすすめです。具体的な成分としてサリチル酸があります。サリチル酸は、ピーリング成分の1つで、皮脂汚れを効率的に除去してくれる成分です。

    美白に有効な美容成分

    美白成分で医薬部外品の有効成分として配合されているアイテムもたくさんあります。その中でもより効果が高いと言われているのがメラニンの生成を抑制する成分です。具体的には、まずアルブチンが挙げられます。

    一方で、メラニンの生産を抑制する有効成分として4MSKと呼ばれる成分があります。これは資生堂が開発したメラニンの生成を抑制する成分ですが、4MSKが配合された美容液だとHAKUが有名です。この美白美容液には4MSKと、有効成分としてトラネキサム酸が一緒に配合されています。

    トラネキサム酸はメラニンを作るメラノサイトという細胞の活性化を抑える効果があります。シミの中でも特に肝斑や炎症後色素沈着のようなタイプにおすすめの成分です。

    また、医薬部外品ではなく化粧品のアイテムでも、きちんとデータを取っているものがあります。例えば美白成分としてロレアルの独自成分であるメラジルという成分が配合されたものがあります。メラジルは、メラニンの生産を抑制する効果があり、厳密に言うとメラニンを作る際に働くチシナーゼという酵素ではなく、その前駆体に働きかける成分です。また麹酸は、メラニンの生成を抑制するだけでなく、抗酸化作用や抗糖化作用のある成分です。

    シワに有効な美容成分

    シワに対するおすすめの成分には、レチノールが挙げられます。レチノールはビタミンAの1つで、肌のターンオーバーを促してコラーゲンを増やし、シワの改善効果をもたらしてくれます。それ以外にもレチノールには皮脂の抑性効果、毛穴詰まりを改善してニキビを予防したり、肌のターンオーバーを促すことによる美肌作用などもあります。

    シワの改善効果に関しては、このレチノールが最もエビデンスがあります。このレチノールが有効成分として配合された医薬部品が資生堂エリクシールのリンクルクリームです。一方で化粧品でレチノールが配合されている美容液としては、キールズのリニューイングセラムがあります。

    また、シワの改善におすすめの成分がナイアシンアミドです。ナイアシンアミドは、皮脂の抑性効果のある成分ですが、それだけでなくコラーゲンの生成を促し、シワの改善効果が期待できる成分です。このナイアシンアミドは、シワの改善に医薬部外品の有効成分として配合されているケースも多々あります。またペプチドもシワの改善におすすめの成分です。

    紫外線に有効な美容成分

    紫外線ダメージに対しておすすめの成分がビタミンCです。ビタミンCは抗酸化成分の王様で、紫外線ダメージから肌を守ってくれる効果があります。ビタミンCで人気なのが、メラノCCの薬用しみ集中対策美容液があります。医薬部外品の有効成分としてビタミンCが配合されているのが特徴です。

    また、おすすめの抗酸化成分の1つにアスタキサンチンがあります。アスタキサンチンは、ビタミンCのおよそ100倍の抗酸化力があると言われている成分です。

    赤みに有効な美容成分

    赤みに対しておすすめの成分ですが、まずは皮膚科を受診していただくことをお勧めします。赤みをもたらす方の中には、バリア機能が低下して、それによって外からの刺激に弱くなってしまって、赤くなってしまうという方がいます。そういった方は、バリア機能を改善してくれる成分がおすすめです。

    具体的な成分としてはPHA(ポリヒドロキシ酸)と呼ばれる成分が挙げられます。これにはグルコノクトンが代表的な成分としてあり、これまでの報告で肌のバリア機能の改善効果、赤みの改善効果があることが分かっています。

    ガサガサ部分に有効な成分

    プチプラでも尿素が配合されていることがよくあります。 ただハンドクリームの保湿のイメージをお持ちの方がいらっしゃると思いますが、実は違います。尿素は、濃度によって効果が変わり、ある程度高濃度になってくると保湿効果以外の効果があります。それが角質を融解する作用です。

    具体的には、角質を柔らかくしてガサガサを改善してくれる効果です。これまでの報告で10%を超えると尿素の角質を融解する作用があることが分かっています。基本的には、角質を融解する作用を期待する場合は医薬品がおすすめです。例えばケラチナミンコーワの尿素配合のクリームがあります。これは20%の尿素が配合されており、尿素の角質を柔らかくする効果が期待できる濃度となっています。特にガサガサ感が強いようなところで、肘や膝、かかとなどです。

    また、二の腕のブツブツのような毛孔性苔癬にも尿素は有効です。毛孔性苔癬は毛穴がプツっと膨らんで、それによってブツブツ感を認める症状のことです。この尿素の角質を融解する作用で改善する効果が期待できます。

    また、摩擦によって色素沈着がなりやすいような部位は、角層という肌の1番表面の層が分厚くなっている傾向にあります。そういった黒ずみを認めやすいにも尿素を塗ると少しずつ角質が柔らかくなって色素沈着も改善する効果が期待できます。

    もちろん、例えば痒みなども伴う場合は、そこに炎症があり、それによって色素沈着が繰り返しできてしまっている可能性が高いので、皮膚科でのお薬を併用されることをお勧めします。

    ちなみに低濃度の尿素は意味がないのかという質問もありますが、低濃度の尿素も効果があります。尿素は肌の保湿成分である天然保湿成分の1つで、尿素は保湿作用としてはヒューメクタントとして働きます。肌に潤いを与える保湿成分にはいくつかの種類がありますが、中でもヒューメクタントは肌の中で水分を蓄えてくれるような効果を有する成分のことを言います。それによって肌のバリア機能を改善して、潤いを与えてくれるという効果が期待できます。

    実際、これまでの報告では、5%の尿素と20%のグリセリンで、その効果を比較した時に5%の尿素の方がより肌の中からの水分の蒸発を抑え、バリア機能を改善した報告もあります。

    ニキビに有効な成分

    硫黄は温泉を連想される方が多いと思いますが、実は古くから皮膚科でよく処法される成分の1つです。まずニキビに対して処方されており、硫黄には殺菌効果があります。また殺菌作用だけでなく、硫黄には抗炎症作用や角質を融解する作用があります。

    ニキビは、元々毛穴が詰まるところからスタートするので、角質を融解する硫黄によって毛穴詰まりを改善し、また赤く晴れたニキビは炎症が起こっている状態なので、こういったニキビにも硫黄は有効です。特に膿があってジュクジュクとしたようなニキビに非常に効きます。厳密には、硫黄だけで処法されるケースはほとんどなく、デュアックなどの抗菌作用や抗炎症作用のあるお薬を一緒に処方されています。

    美容液の塗り方

    美容液は、瓶に入っていることが多く、手に出して手で馴染ませている方いらっしゃると思います。これは実はおすすめではありません。美容液は、スポイトを出して、まず指に取ります。これを肌に4、5箇所分けて置いて、それを塗り広げるのがおすすめの塗り方です。

    また、美容液にはいくつか注意点もあります。まず1つは刺激に関することです。有効成分が高濃度配合されているアイテムの場合、成分によっては併用することによって刺激が増してしまう可能性があります。代表的な組み合わせとしては、レチノールとビタミンC、レチノールとサリチル酸などのピーリング成分などがあります。両方使いたい場合は、日を分けて塗ったり、あとは朝と夜に分けて塗ることがおすすめです。

    また、油分についても注意が必要です。美容液の中には、油分が多く含まれているものもあります。そういった美容液をたくさん塗り重ねてしまうと知らないうちに油分が過剰になってしまい、毛穴詰まりなどの肌トラブルを引き起こす可能性があります。特に皮脂の分泌量が多いオイリー肌の方、混合肌の方は注意が必要です。

    例えば、美容液ではなく他のアイテムで取り入れるのも1つ有効で、ビタミンCをこういった化粧水で取り入れるなどをしていただくと、より使いやすいでしょう。

    洗顔の注意点

    肌の潤いを高めるためには、バリア機能を高めるためには、まずはそのバリア機能を損ないケアに着目していただくことが重要です。中でもまず見直していただきたいのが洗顔です。誤った洗顔をしていると天然保湿因子や細胞間脂質のような肌本来のバリア機能を担う因子が流出してしまって、乾燥の原因になってしまうことがあります。

    特にメイクをされている方はクレンジングと洗顔量のいわゆるダブル洗顔をしている方が多いと思います。この2つを使う場合は、クレンジングで大型の汚れを落として、洗顔料に関してはすすぎ程度で洗うというバランスが重要です。

    例えば、ウォータープルーフの日焼け止めを使っていたり、リキッドファンデーションを使っている場合は、洗浄力の高いクレンジングオイルがおすすめです。クレンジングでメイク汚れをしっかりと素早く落として、その上で洗顔量を優しく素早く使うと肌の負担はぐっと減ります。

    この時に、洗顔料で注目していただきたいのがpHです。洗顔アイテムの中で、例えば石鹸はアルカリ性です。私たちの肌は、元々弱酸性で肌が健康な場合は、石鹸を用いて一時的に肌がアルカリ性に傾いてもすぐにまた弱酸性に戻ります。しかし、例えばアトピーの方や酒さの方など、いわゆる肌が敏感な方は、アルカリ性に1度傾くとなかなか弱酸性に戻れず、その間に肌の常在菌環境が乱れてしまう可能性があります。

    肌の環境が乱れると、まず1つは肌に炎症が起こりやすくなってしまい、それによって肌トラブルに発展してしまう可能性があります。そのためスキンケアアイテムのpHにも着目し、肌の常在菌環境を整えて、なるべくそういった肌トラブルを予防していくことが重要と言われています。

    また、寒い時期になってくると洗顔の際、その温度を高くしてしまう方がいます。しかし40℃を超えると肌の保湿成分が流出しやすいことも言われているため、できるだけぬるま湯をおすすめします。ぬるま湯の1つ基準としては、手に取ってみた時に、温かいとも冷たいとも感じない温度が1つ目安となります。特にお風呂で洗顔をしているような方は、つい温度が高くなってしまう傾向がありますので注意するようにしてみてください。またスクラブや酵素洗顔のやりすぎも乾燥の原因となってきます。こういったアイテムを使っている方は、やりすぎないように注意してください。

    ワセリンとは

    ワセリンは皮膚の呼吸を塞いでしまう、石油からできていて危険など、そういった情報を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。しかしワセリンは、非常に使い道の多い便利な成分です。

    ワセリンは石油から作られた成分ですが、医薬品や化粧品に使われるワセリンは、不純物を取り除く工程を経たものです。このワセリンには、大きく分けて4つ種類があり、まず黄色ワセリン、白色ワセリン、フロペト、サンホワイトがあります。これは不純物をどれだけ綺麗に取り除いているかによります。ただし不純物があるからといって、肌にも悪いわけでもありません。

    そのためワセリンの安全性は、非常に高い成分です。実際、ワセリンは皮膚への刺激も少なく、またアレルギー反応を起こす方もほとんどおらず、皮膚科で処方される外用薬の基剤としても用いられています。

    ワセリンには、保湿作用と保護作用があります。前者の保湿作用については、その作用が成分によって少しずつ異なります。大きく分けると3つあり、まず1つがヒューメクタントと呼ばれる保湿成分です。これはグリセリンやヒアルロン酸の成分に代表される保湿成分になり、肌の中で水分を引き寄せてくれる成分です。

    2つ目が、エモリエントと呼ばれる保湿成分で、皮膚を柔軟にして角層の手触りを滑らかにしてくれる成分のことです。そして3つ目がオクルーシブと呼ばれる保湿成分で、ワセリンはオクルーシブに分類されます。

    オクルーシブは、皮膚の蓋のような役割をしてくれる成分のことで、皮膚から水分が蒸発するのを防ぐ役割を果たします。このためワセリンは、単体で水分を引き寄せて保湿効果を表すことはありませんが、他の保湿成分と組み合わせることによって肌の潤いを閉じ込めて維持してくれる効果があります。

    実際、世の中の保湿アイテムは、オクルーシブ、ヒューメクタント、エモリエントと呼ばれる保湿成分を組み合わせて作られています。また異なる作用を有する保湿成分を組み合わせた、いわゆるモイスチャライザーと呼ばれる保湿アイテムの方がワセリン単体よりも保湿効果が高いことも分かっています。

    一方で、ワセリンは皮膚の蓋のような役割を果たすため、毛穴が塞がってしまって呼吸ができなくなると疑問を持たれる方もいらっしゃいます。皮膚は、肺のように呼吸しているわけではなく、肌に必要な栄養素は血流によって届きます。そのためワセリンを塗ることによって肌の呼吸ができなくなってしまうことはありません。

    ワセリンの正しい使い方

    ニキビ肌の人、敏感肌の人、乾燥肌の人、この3つの肌タイプの人はワセリンを使う前に考えるべきことがあります。そもそもワセリンは皮膚の一番上にある角層の上に膜を張って内側の水分が蒸発していかないようにするものです。そのため良くも悪くも、ただ膜を張るだけです。やっぱり肌を守る成分には、皮脂が出て角層の一番上に油分の膜を張ることバリア機能が保たれるため、皮脂の代わりにワセリンを塗って守ることは大事なことです。

    しかし、皮脂は大事な成分ですが、それ以外にも角層と各層の間をくっつけている細胞間脂質や天然保湿因子が肌の水分を引張り、逃がさないようにして角層の内側に水分を維持して、それを蒸発しないように膜をしています。しかし乾燥肌や敏感肌の人は、ワセリンだけ塗っても内側の水分を維持するものは何も与えずに、外側の膜だけ張っても、内側が乾燥している状態は改善しません。

    つまり、スキンケアはお肌に水分を入れて角層で潤わせて、その一番上に膜を張ることがとても大事なことです。そういう人は、なるべくヒアルロン酸、セラミド、ヘパリン類似物質で細胞の角質の中を潤わせて、その外にワセリンを塗ることが必要です。

    また、ニキビ肌の人は、皮脂分泌が過剰なので毛穴の中に皮脂が詰まるので、ワセリンによる油が多いケアすると、皮脂をさらに与えているため、毛穴づまりがさらに助長してニキビをつくったりします。

    まずワセリンを使える人は、健康な肌で普通肌の人です。きちんと角層で天然保湿因子や細胞間脂質があり、適度な皮脂が出て、肌荒れをすることがない場合は、ワセリンのような膜を張るものだけを塗っていても潤えることができます。

    そして乾燥肌の人、ニキビ肌の人は、自分で潤いを与えて、できれば細胞間脂質の助けになるようなセラミドやアミノ酸系、ヘパリン類似物質、ヒアルロン酸などで、しっかりと角層を潤わせてから膜を張ることが必要です。

    ただし、ワセリンを分厚く塗ってしまうとメイク汚れや皮脂が閉じ込められ、クレンジングをうまく使わないとそのままとなり、ニキビなどの肌トラブルになってしまう可能性があります。実際、アメリカ皮膚科学会においても、ワセリンをニキビの方が分厚く塗ってしまうと吹き出物ができやすくなる可能性があると注意しています。

    他にも、皮脂によって悪化すると言われている脂漏性皮膚炎という湿疹があり、この脂漏性皮膚炎にはマラセチアと呼ばれる皮膚の常在菌の1つであるカビが関係していると言われています。このマラセチアが、ワセリンを塗布することによって増殖しやすくなるデータもあり、やはりニキビの方、脂漏性皮膚炎の方、そういった特定の肌質の方に関してはワセリンを闇雲に使った場合、その悪化に繋がってしまう可能性があります。

    しかし、ワセリンは使い方次第で、様々な用途に使える万能成分にもなり得ます。特に効果的な使い方としては、部分的な追い保湿にワセリンは有効です。具体的には、手の保湿、唇の保湿にワセリンはおすすめです。手の乾燥が極度に酷い方は、ワセリンを塗った後にさらに手袋すると保湿効果をより高めることができます。

    一方で、ワセリンの保護効果の1つに、スキンケア成分の刺激を緩和する目的で重宝されています。代表的な成分のレチノールは、ビタミンAの1つで肌のターンオーバーを促して、シワなどの改善効果をもたらしてくれる成分です。特にレチールは目周りの小ジワなどにおすすめの成分ですが、レチノールを目周りに塗ると刺激を感じてしまう方が一定数います。

    そのような方には、ワセリンが便利です。ワセリンをレチノールを塗る前に目周りに塗って、それからレチノールを重ねることによって、レチノールの浸透をマイルドにし、副作用を緩和する効果が期待できます。

    また春先の花粉症は、鼻などの症状以外に肌に付着すると湿疹の原因になることもあります。実際、花粉の時期になると目周りが荒れやすい方は、ワセリンを目周りに塗っていただくと花粉が直接肌につくのを防いで症状を緩和してくれる効果が期待できます。また花粉症の予防でワセリンを鼻の出口に薄く塗るのもおすすめの使い方です。ワセリンを鼻の出口に塗ることによって、花粉が鼻の粘膜に付着するのを防ぐ効果があるためです。あくまで鼻の出口に塗ることで花粉の付着を防ぐだけでなく、ティッシュで鼻を噛んだ時に肌を保護してくれる効果も期待できます。

    そして、注意したいのが目の周りに稗粒腫(はいりゅうしゅ)がある方です。稗粒腫は、袋の出来物で中に角質が溜まることで小さなブツブツとして見られるようになります。稗粒腫がある方がワセリンを分厚く塗ってしまうと、このブツブツが悪化してしまう可能性があると言われています。同じく、レーザーや湿疹など炎症がある状態でワセリンを分厚く塗ってしまうと、それに続いて稗粒腫ができてしまうこともあります。

    また最近の報告では、デモデックスと呼ばれるニキビダニの増殖をワセリンが抑える効果があるのではないかと考えられています。デモデックスは、元々私たちの皮膚にいる常在菌の1つですが、その数が増えてしまうと炎症をもたらし、例えば赤ら顔の酒さなどの症状を引き起こしてしまうことがあります。

    さらにワセリンの保護作用として、おすすめなのがすり傷に対する使い方です。最近は、すり傷は浸潤療法と言って湿らせた方がその改善効果が早いことが分かっています。軽い切り傷やすり傷の場合は、流水で綺麗にすすいで、その後にワセリンを塗って保護することによって浸潤環境が作れます。

    また同じく、例えば靴ずれ、あるいはマラソンなどによって太もが擦れやすい方は、ワセリンを保護目的で使うことで肌トラブルを抑えてくれる効果が期待できます。

    シワを予防する生活習慣

    シワを予防する生活習慣には、大きく分けて3 つ、適切なスキンケア、効果的な食事、そして適度な運動があります。まず基本は洗後に化粧水と乳液で十分な保湿をすることです。そして美容液や夜用クリームで栄養を補給します。また日中はSPF30以上の日焼け止めが欠かせません。

    次は食事については、ビタミンC、E、Aを多く含む果物や野菜、オメガ3脂肪酸を含む魚類、タンパク質が豊富な食品を積極的に摂取しましょう。具体的には、ビタミンCならいちごやキウイ、ビタミンEならアーモンドやヒマワリの種、オメガ3脂肪酸なら鮭や鯖が挙げられます。もちろん水分を十分に摂ることも重要です。

    最後に運動については、適度な運動は血行を促進して、肌細胞に酸素や栄養を届けやすくします。ただし過度の運動は逆効果になる可能性があります。個人差はありますが、週3から4で30分程度の有酸素運動が良いと言われており、ウォーキングやジョギング、水泳がおすすめです。

    統合美容鍼灸の有効性

    当院の統合美容鍼灸は、全身のバランスを整えることを目的としています。ツボと経絡から「気・血・水」の流れを改善し、血の巡りが良くなることで、肌に栄養と潤いが届きやすくなります。また全身のバランスを整えることで、ストレスやホルモンバランスの乱れを整えて、自律神経の乱れを整える効果が期待できます。そして全身のバランスが整うと、肌全体のハリや潤いが自然と増します。

    本コラムの監修】

    恵比寿院長

    HARRNY 院長/鍼灸師 菊地明子

    ・経歴
    大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。

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