インディバ温活で妊活

    インディバ温活で妊活

    東洋医学で妊娠のお手伝いできる理由は、卵子や精子・子宮内膜の質を高めることができるからです。インディバと鍼灸施術は心や体の気・血・水の流れを整え、より健康的な妊娠のための体のベースをつくり、本来備わっている妊娠力を最大限にしていきます。

    冷え性だと妊娠しにくい?

    「冷え性なので妊娠しにくいですか」「子宮を温めた方がいいですか」という質問がよくあります。まず妊活には、基礎体温を測ることが大事です。

    基礎体温は目覚めた直後に婦人体温計を用いて口の中の温度を測定していきます。基礎体温を測定すると、例えば生理周期が28日の場合には、生理から排卵までの約2週間が低温期にあたり、その後の2週間が高温期になります。低温期と高温期の差は0.3度から0.6度程度になり、基礎体温がこのように2層に分かれていると女性ホルモンがしっかり働いてくれていることが分かります。

    基礎体温と平熱はどちらも体温ですが、基礎体温は生命を維持するために必要最小限のエネルギーしか消費していない状態で測る体温になります。これに対して平熱は、運動したり食事によって変動し、例えば朝と晩であったりもしくは食前食後で違ったりします。

    低温期は基礎体温が低めの時期のことで、生理周期が28日であれば、生理が始まってから大体2週間くらいが低温期になります。生理周期が35日であれば、生理が始まってから3週間が低温期になるなど、低温期の期間は生理周期によって変動します。

    そして、排卵の後の体温が上昇するのは、黄体ホルモンの働きによるものです。排卵した後に卵巣に残された卵胞は、黄体に変化して黄体ホルモンをたくさん分泌するようになります。 黄体ホルモンには基礎体温を上昇させる働きによって高温期に入っていきます。また黄体ホルモンが出ることによって、子宮の内膜に受精卵が着床しやすい状態を維持してくれます 。この黄体の寿命は約14日間となり、高温期も約14日間持続します。この間に妊娠が成立しない場合は、体温が低下するとともに子宮内膜が剥がれ落ちて、生理として出ていきます。 このように基礎体温は生理サイクルにおけるホルモンの変化に対応して変化していきます。

    理想的な基礎体温
    女性の健康推進室ヘルスケアラボ

    目安となるグラフは綺麗に2層に分かれていますが、実際に測ってみると時々の変化によってバラバラになっていたりとすることが結構あります。そのためざっくり低温期、高温期で分かれていれば問題ありません。

    例えば、ずっと体温が低い場合は排卵が起こっていないことがあり、排卵が起こらないことによって黄体ホルモンが分泌されないので、体温が上がらなくなります。また無排卵であっても子宮内膜が維持できなくなることで出血起こるため、生理自体がなくこともありません。基礎体温を測ってみないと無排卵なのかどうかわからないということもあります。

    また、低温期が続くことと体温が低いということはまったく関係がありません。排卵がない場合にはPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)などの病気が隠れていることもあります。また排卵がないということは、妊娠に必要な卵子が出てきていないということになり、いくらタイミングをとっても妊娠しないことになります。またのストレスなどの環境変化で、その周期だけ排卵していないケースもありますが、中には排卵していない周期の方が多いこともあったりします。そのため基礎体温は一周期だけ測って判断するのではなくて、少なくとも3週くらい測定してみると分かりやすくなります。

    高温期になって黄体が寿命を迎えて、中4日間くらい経ってから下がるのではなく、基礎体温が高い状態がそのまま続く場合には、妊娠の可能性があります。妊娠が成立すると黄体ホルモンが分泌され続けるので、基礎体温は上昇したままになります。排卵から17日間以上高温期が続いている場合には、妊娠の可能性があるため妊娠検査薬で調べてみましょう。

    冒頭の質問の答えですが、このように低温期しかない≒基礎体温が一相の場合と冷え性は意味が違います。私たちの体には体温を一定に保つ仕組みが備わっており、冷え性だからといって子宮も冷えることはありません。そのため冷え性だから妊娠しにくいわけではなく、子宮を温めないといけないと言うわけでもありません。

    生理はあるけれど、排卵していない場合には不妊につながることもありますので、一度産婦人科で調べてみることをお勧めします。冷え性だから妊娠しにくいということはありませんが、自分の身体の状態を把握するという意味でも一度基礎体温をつけてみましょう。

    ミトコンドリアで卵子の質をアップ

    妊活では「卵子の質を上げる」ことが最も大切です。卵子の質に関わるものとして、細胞分裂がしっかり続けられるエネルギーがあること、そして染色体に異常がないことが挙げられます。この2の要素に関係するのが「ミトコンドリア」です。ミトコンドリアはエネルギーを生み出す体の中の発電所のようなものです。そのためミトコンドリアに異常があるとエネルギーがうまく作れなくなり、細胞を分裂させる際に染色体を分けたりすることが難しくなります。

    また、異常のあるミトコンドリアあると、効率良くエネルギーを作れないだけでなく、細胞に対して体のサビとなる活性酸素(フリーラジカル)が作られます。そしてミトコンドリア自身も、活性酸素などのストレスに対して非常に弱い側面があります。実際にも加齢卵子では、エネルギー量が少なく、ミトコンドリアのDNAに変異が多く見られ、かつその数も少なくなっているという研究報告があります。その結果、加齢卵子で染色体異常の確率が上がり、妊娠率が低下するのではないかと言われています。

    一方で、卵子は卵巣の中の「原始卵胞」という細胞から約85から90日かって作られます。その後排卵に至るわけですが、この90日間が卵子の質を決める大事な期間です。この間にミトコンドリアを活性化させ、エネルギーを増やすことが非常に重要なことです。因みにミトコンドリアが多くある場所は卵胞細胞と言われています。それだけ命の誕生にはエネルギーが必要だということが分かります。

    このミトコンドリアのエネルギー不足や染色体の異常を改善するためには、卵子の中に元気なミトコンドリアを増やして、エネルギーをたくさん生み出すようにすることです。

    ミトコンドリアを増やす食事

    ミトコンドリアを活性化させるためには、まずはミトコンドリアがいる細胞膜を整えることが大事です。この細胞膜はリン脂質という油の層でできており、タンパク質が細胞内外で栄養のやり取りを行っています。

    この細胞膜を構成するリン脂質の不足や、質の悪い材料で細胞膜が生成されたり、様々なストレスにより細胞膜が酸化すると細胞膜の機能が衰えていきます。その結果、細胞内にあるミトコンドリアへ酸素や栄養素などを運搬する事が出来ません。逆にオメガ3脂肪酸のDHAやEPAなどの不飽和度の高い油を摂取することで、細胞膜の流動性が高くなり、細胞の働きは活発になっていきます。

    また、ミトコンドリアに最も影響が大きいのが日々の食事です。ミトコンドリアに悪影響を及ぼすのが、過剰な精製糖や炭水化物です。なぜ悪影響を及ぼすのかと言うと、これらがフリーラジカルやその他の中間毒素の産生を増加させるからです。例えば果糖たっぷりの食事をラットに8週間与えると、果糖を処理する肝臓に存在しているミトコンドリアのDNAに重大な損傷があることが分かっています。さらに果糖たっぷりな食事は、DNAの損傷を修復して新しいミトコンドリアを作る能力を大幅に低下させることも分かっています。

    また、減らした糖を補うためにも脂質を十分に摂る必要があります。ただし脂質を大量に摂る場合は、摂る脂質の質が重要です。アボガド、オリーブオイル、マカデミアンナッツ、グラスフェッドバターなど、健康的な脂質を選んでください。またグラスフェッドビーフ、天然の青魚、有期鶏卵などの健康的なタンパク質、野菜を食べることも大切です。いずれにせよ糖質制限したのであれば、質の高い食べ物を食べることを心がけてください。

    一方で、簡単に実践できる方法としては週一プチ断食が有効です。週一プチ断食とは、具体的には週一回、睡眠時間も含めた食べない時間を16時間以上つくることです。この時間によって、細胞の異常や劣化をくい止めるオートファジーが活性化します。オートファジーは古くなった細胞を新しくするメカニズムです。

    細胞の中には細胞内の摂食中枢として働くタンパク質群があり、これらが活性化すると、活性酸素の除去やミトコンドリアを新規合成させるタンパク質が増えるということが報告されています。また加齢したマウスを用いた実験では、カロリー制限したマウスは、若いマウスと比べて卵子のエネルギー量や染色体異常が変わらなかったことが報告されています。

    インディバでミトコンドリア活性化

    インディバやラジオスティムなどの高周波温熱治療器は、高周波を体内に電通させてジュール熱を発生させます。この深部加温により、体表面からの熱伝達とは違い体内に熱源を作ります。血液、リンパ液の循環が促進され、組織の代謝を活発にするので免疫機能も亢進します。

    高周波で細胞を活性化させるというメカニズムは、温熱効果で促進された血流により大量の酸素が細胞(ミトコンドリア)に運ばれます。その細胞はATPと酸素を使って活性化し、大量のATPが生産されます。

    また、温熱によりヒートションクプロテイン(HSP)も再生されます。HSPは傷んだ細胞を修復する働きを持つタンパク質です。熱ストレスにより体内で作られる量が増加します。このHSPが私たちの持つ自己治癒力や自己回復力を手助けしてくれるのです。

    本コラムの監修】

    HARRNY 院長/鍼灸師 菊地明子

    ・経歴
    大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイル

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