東洋医学で診る「月経困難症」

日常生活に支障をきたすほどの痛みを生じる「月経困難症」は、月経に伴って下腹部痛、腰痛など一般に月経痛(生理痛)とよばれる症状に加え、おなかの張る感じ、吐き気、頭痛、疲労・脱力感、食欲不振、いらいら、下痢および憂うつなどの疼痛の症状です。

日本国内では、推定800万人が悩む症状であり、女性の月経回数の増加が原因とも言われています。

月経困難症には、原因疾患がない「機能性月経困難症」と原因疾患があるために起こる「器質性月経困難症」に分けられます。

前者は、月経困難症を訴える人の4割以上を占めます。特に若年層では月経困難症で悩んでいる方のほとんどは、機能性月経困難症です。

月経痛の原因として、内分泌失調・自律神経失調や心因的要因が考えられており、それらが誘因となって子宮筋に過度なストレスがかかって、痛みを引き起こすとされています。

後者は、原因となる疾患として、①子宮内膜症、②子宮腺筋症、③子宮筋腫などがあり、この中でも①子宮内膜症の8割以上の方に月経困難症が認められます。

20代以降で月経周期が安定してからの月経困難症は、器質性月経困難症の可能性が高く、すぐに婦人科を受ける必要があります。主な症状は激しい生理痛です。不妊症との関わりも深く、原因不明の不妊症の半分に子宮内膜症があると言われています。

東洋医学で診る「月経困難症」

機能性月経困難症の原因には様々な説がありますが、大きく分けると①プロスタグランジンの過剰分泌、②子宮口が狭い、③心理的要因、④運動不足や冷えです。

この中でも注目されているのが、プロスタグランジンの過剰分泌です。プロスタグランジンとは、子宮内膜が分泌期から月経期に産生されるもので、子宮筋が過剰に収縮して、子宮の血流が悪くなり、結果、痛みが起こる、とされています。

東洋医学では月経困難症を「痛経」または「経行腹痛」といい、「気」と「血」の滞りによるものとし、肝鬱気滞・気血両虚・肝腎陰虚の3つが主な原因として考えられます。

月経困難症のケア

月経困難症の痛みを和らげる方法としてお腹・腰周り(子宮や骨盤内)の血流をよくすること、特に下腹部を冷やさず温めることが重要です。

当院では、「気」と「血」の流れの状態をよくして、子宮の周辺の状態をよくすることを目的に施術します。冷え症を持っている方は、併せて施術していきます。また自律神経を整えていくことも症状を治していく早道です。

生理痛の特効穴として『三陰交』というツボがあります。三陰交は五臓六腑の肝・脾・腎の3つの経絡が交わり、身体の中を流れる全ての物質の循環を促進させる働きを持つとされ、婦人病の改善に特に有名なツボです。

三陰交(さんいんこう)足の内くるぶしの一番高い所から指4本分進んだところの骨のきわ

毎日軽く押してみたり、簡易的なお灸で刺激してあげるのも効果的です。

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