頭痛の3つタイプ

    頭痛の3つタイプ

    頭痛は分類(国際頭痛学会)によると350種類もあり、代表的な慢性頭痛として3つのタイプがあり、その痛みに悩む方は推定3000万人に上ると言われています。たかが頭痛ではなく、つらい痛みは確実に生活の質を低下させて、様々な悪影響を及ぼしています。

    頭痛によって勉強ができない、家事ができない、働けないなど社会生活を営むのが難しくなります。特に偏頭痛持ちの方に共通しているのが頭痛がないときには全く問題がない人が多く、頭痛に襲われると市販の鎮痛薬を利用してしのぐことが多くなっています。

    「偏頭痛」「緊張型頭痛」「群発頭痛」

    頭痛には、冷たいものを食べたり、二日酔いの頭痛などによる「一過性頭痛」、脳や全身の疾患が原因として起こる「二次性頭痛」、基礎疾患のない「一次性頭痛」があります。「二次性頭痛」は、いわば疾患を知らせる危険なサインというべき頭痛であり、専門医の受診が必要になります。

    一方で、「頭痛持ち」と言われる方の頭痛が「一次性頭痛」です。このような方の頭痛は、周期的や不定期に起こるため慢性頭痛と呼ばれ、代表的なものが「偏頭痛」「緊張型頭痛」「群発頭痛」という3つのタイプがあります。

    偏頭痛の原因

    偏頭痛の特徴は、痛みがズキンズキンと脈打つことで、片側だけでなく両側のこともあります。また突発的に起こるタイプと前兆を伴うタイプがあり、後者は3割程度と見られています。前兆として知られているのが、視界がチカチカした光が現れる「閃輝暗点」です。

    この偏頭痛の痛みには脳内伝達物質であるセロトニンが関与していることが知られていますが、その原因やメカニズムには諸説あり、まだ解明されていません。また偏頭痛は女性に多く、その理由については遺伝的な体質なども関係しているのではないかと考えられています。

    近年、頭痛のメカニズムとして広く知られているのが「三叉神経血管説」です。頭蓋骨内には、三叉神経から伸びた神経線維が張り巡らされていて、何らかの原因で三叉神経が刺激を受けると、セロトニンなどの神経伝達物質が血中内に放出されて脳の血管が拡張して、周囲に炎症が起こります。このような反応が次々に起こり、この刺激による興奮が脳に伝わり、動脈を脈打つたびにドックンドックンという痛みが起こると考えられています。

    緊張型頭痛の原因

    緊張型頭痛は、偏頭痛の倍以上、年齢を問わず幅広く起こります。特徴は頭が締め付けられるギューッという痛みがありますが、痛みはそれほどではなく、体を動かすと痛みが紛れる方も多くいます。

    緊張型頭痛の原因は、仕事やストレスなどの精神的ストレス、スマホやパソコンにより同じ姿勢や負担がかかる姿勢と続けるなどによる肉体的なストレスがあります。このような心身のストレスにより、筋肉が収縮して硬くなり、周囲の神経を圧迫するため頭痛が起こると考えられています。またギューッと締め付けられるような特徴的な痛みが起こる場合は、ハチマキのように頭をとりまく筋がストレスによって収縮するためです。よく見られる症状として、首肩のこり、だるくてやる気が出ないなどが挙げられます。

    一方で、心身のストレスだけでなく、頭の周囲の筋肉に関連痛を感じるポイント(トリガーポイント)があり、この部分の筋肉の神経が何らかの理由で刺激されていることが頭痛の引き金になっているのではないかと考えられています。実際にも、緊張型頭痛の人の頭を触診すると、頭の周囲の筋肉にトリガーポイントが確認できます。

    もっとも辛い群発頭痛

    群発と言われるように群発地震のように、ある時期に集中して頭痛が起こるのが群発頭痛の特徴です。年に1回くらいの頻度で起こり、一度起こると1から2ヶ月に渡り、ほとんど毎日、ほぼ同じ時間帯(睡眠中に起こる)に激しい頭痛に襲われます。この頭痛の発生メカニズムは明らかになっておらず、毎日同じ時間に起こることから体内時計が関与しているのではないかと考えられています(中枢説)。一方で目の奥の痛みを伴うことから、その周囲にある血管や脳の太い血管に異常が起きて激しい痛みが起こるのではないかと考えられています(末梢説)。

    梅雨の時期の頭痛

    梅雨時期の頭痛・だるさの原因の1つが気圧の変化です。梅雨の時期は低気圧が多く、気圧が低くなると血管が拡張しやすくなります。この血管拡張が、片頭痛に繋がります。なんとなく収縮した方が頭が痛くなると思われますが、実は拡張した方が頭痛が起こりやすくなります。

    なぜなら拡がった血管を交感神経が過度に働き、鎮めようとするため、より覚醒モードになり、今度は不眠やイライラの原因になります。

    また、湿度の高さも私たちの体に影響し、発汗しにくくなることで、体温調整が上手くいかず体調を崩します。さらにむくみが起こることで、だるさや頭痛に繋がります。一方で高湿度は、カビやダニが繁殖しやすい環境になり、それを吸い込んでアレルギーが悪化などの体調不良に繋がります。

    そして日照時間の不足も私たちの体に影響します。私たちの体は太陽は浴びることによってビタミンDを産生し、このビタミンDが免疫の調整、気分の調整を担います。日を浴びなければ、なんとなく鬱々とした気持ちになるのは、こうした体の機能があるからです。

    梅雨の時期の頭痛対策

    梅雨の時期の体調不良の症状として一番多いのが、頭痛とだるさですが、特に頭痛を抑えるような日頃の生活習慣で言われていることの一つがビタミンDを摂ることです。実際ビタミンDを取ることによって偏頭痛の回数を減らしたと言う論文もあります。

    これは日照時間が少ないことも関係してきますが、ビタミンDを取ることによって不足分を補っていく対策です。

    また、食物繊維を摂ることによって腸内細菌の餌、特に発酵性の食物繊維を摂ることによって腸内環境が安定し、その結果自律神経が整い、頭痛が治ると言う報告がされています。

    もちろん食物繊維を摂れば、直ぐにピタッと止むというわけではありませんが、発酵性の食物繊維をしっかり食べることによって頭痛が起こりにくい体質になることが分かっています。

    そして、睡眠をしっかり取ることも大事です。眠れないと血流が不足したり、イライラの原因になるため、休息することはすごく大事です。また湿度が多くて発汗ができないことによってむくみになるため、ゆっくりとお風呂に入って、汗をかくことも大事です。

    【本コラムの監修】

    HARRNY 院長/鍼灸師 菊地明子

    ・経歴
    大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。

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