
肩こりは「日本の国民病」と呼ばれています。その肩こりが様々な体の不調を引き起こしているかも知れません。
東洋医学では、肩こりは「瘀血(おけつ)」の人がなりやすいとも言われています。「瘀血」とは、一体どのような状態を指すのでしょうか?
血巡りが悪い「瘀血(おけつ)」
瘀血とは、東洋医学でいう血(けつ)が滞ってしまう状態のことを言います。イメージでは、血がドロドロしているような感じです。瘀血があると、肩こりだけでなく
・冷え性や便秘
・ニキビ
・頭痛
・腰痛
・生理痛、生理不順など
様々な症状を引き起こしやすくなります。そして瘀血は長い間放っておくと、糖尿病や高脂血症などの生活習慣病や、子宮筋腫、子宮内膜症などの婦人科疾患になることも。
瘀血になってしまう原因はさまざまですが、ストレス過多や不規則な睡眠、甘いものの食べ過ぎ、脂っこいものの食べ過ぎなどで悪化します。また、カラダが冷えてしまうことで瘀血は更に悪化します。冬に肩こりが悪化しやすいこともその理由です。
肩こりを改善する方法
湯船に浸かる
最近は湯船に浸からない方も多いですが、血の巡りを改善する一番簡単な方法は、37~40℃程度で10~15分間ゆったりと心地よい温度の湯船に浸かることです。身体を温めると、リラックスできるので、血巡りも改善します。
朝晩白湯を飲む
朝晩に白湯を飲むことで基礎代謝が良くなります。白湯を飲むと胃腸が温まることで、全身の血行が良くなり内臓の温度も上がります。内臓温度が1℃上がると、基礎代謝は上がって、脂肪燃焼率がよくなり、痩せやすい体質になると言われています。
有酸素運動を心がける
ウォーキングやジョギングなど、長時間継続して行う運動によって、体脂肪をエネルギー源として使い燃焼させることができます。また内臓脂肪も同様に減少させることができます。
鍼で筋肉の緊張を緩ませる
直接鍼を凝り固まった筋肉に刺すことで、筋肉に免疫反応が起こり、その修復に伴い、血流を促進させることができます。また血流が改善されることで、筋肉に酸素が運ばれ、ほぐれると同時に痛みを引き起こす発痛物質も流されるため、痛みが治まります。
鍼で身体を改善
体には、内臓の働きを活発にするツボがあります。そのツボを鍼で刺すことによって体全身の代謝が上がり、血流が改善します。また頭や首に鍼を刺すことで、自律神経の乱れを調整することができます。鍼で身体のバランスを良くすることで、血管が拡張し、血流がスムーズに巡ります。
肩こりと美肌のつながり
前述の通り、肩こりの原因は血の流れが悪いことから起きます。これらの流れを良くすることで、お肌に十分な栄養を届けることができます。その結果、筋肉がほぐれることで老廃物の排出が促進されて、たるみが解消され、また美肌効果も得られます。
また、肩こりは精神的な影響によって肌荒れにもつながります。肩こりが原因で不眠、ストレス、自律神経の乱れることで、免疫力が低下、女性ホルモンのバランスの乱れによって、肌のハリや弾力が無くなったり、ニキビの原因となってしまいます。
血の巡りを改善するツボ
太衝(たいしょう)
親指と人差し指の骨の間を、指で軽くなぞり自然と指が止まる位置。

血海(けっかい)
膝のお皿の内側の上から、指3本上あたり

当院では身体と肌と心のケアを行いながら美しさを引き出す美容鍼を行っています。ぜひ知識を持って自分の大切な身体を癒やしてあげてください。
【本コラムの監修】

・経歴
大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。