
体づくりは「運動2割、食事8割」とも言われるほど、食事のコントロールが鍵を握ります。ただし、無理な食事制限はNGです。糖質制限などの「引いていくダイエット」では、脂肪だけでなく水分や筋肉まで落ちてしまいます。一度痩せても少し食べただけでリバウンドし、かえって太りやすく痩せにくい体質を作ってしまうのです。また、きちんと食べないと気力が落ち、家族や友人との食事も楽しめなくなるなど、人生の質にまで影響します。
大切なのは、食べてもスタイルをキープできる体を作ること。筋肉がつけば、多少食べすぎてもすぐには太らなくなります。ここでの運動は、ムキムキになるのが目的ではなく、あくまで健康と若返りのための簡単な筋トレです。簡単な筋トレのメリットは、ほぼ全ての病気に対する抵抗力がアップすることです。
あらゆる面で健康が守られる
骨格筋と言う骨を動かして運動を制御するための筋肉があります。腕を曲げ伸ばしする上腕二頭筋や上腕三頭筋、足を曲げ伸ばしするための大腿四頭筋やハムストリングなど、これらは全て骨格筋に含まれます。
骨格筋は、物理的に体を支えるだけではなく、体の生理的な現象にも影響を与えています。筋肉は体を動かすだけでなく、脂肪を燃やして代謝を促進することによって、私たちの体を病気から守ってくれます。この骨格筋は、私たちの体の全筋肉の4割を占めており、そして自分の意思で動かせる筋肉であり、筋トレによって鍛えられるのは、この骨格筋です。
筋トレによって筋肉の状態が良くなれば、血糖レベルの安定や空腹感のコントロール、さらには関節の稼働性の向上などが即座に現れます。さらに長期的な効果としては、体と骨の強化や中性脂肪の減少、代謝の維持、そしてほぼ全ての病気に対する抵抗力の向上が現れます。
また、健康のために重要なのは良好な代謝です。代謝は体が食べ物やエネルギーを使う方法のことで、筋肉が増えれば体の物理的な構造が変わるだけでなく、体内部の代謝まで変わります。運動によって筋肉を鍛えてあげれば、細胞内でエネルギーを作り出す機関であるミトコンドリアの密度が増します。その結果、炭水化物や脂肪をより効率的にエネルギーへ変えることができるようになります。
このミトコンドリアは、細胞内の発電所と呼ばれ、食物を体のエネルギーに変える上で重要な役割を果たしています。ミトコンドリアは、私たちの体力を決定づけるものであり、機能不全に陥れば生命を脅やかされる恐れさえあります。
また、運動で筋肉が収縮するとマイオカインと呼ばれる物質が放出されます。マイオカインは、体内で信号を発することで病原体と戦って、炎症を抑える働きをしています。不健康な筋肉は、パワーを発揮できないだけでなく、このようなマイオカインが分泌されず、代謝の機能も弱くなります。つまり筋肉を鍛えさえすれば、あらゆる面で健康が守られます。
また、何を食べてどんな運動をするのかは、筋肉に大きな影響を及ぼします。正しい食事と運動を心がけることによって、私たちは筋肉から様々な恩恵を受け取ることができます。
頭が冴える
筋肉がギュっと収縮する時、細胞からマイオカインという小さなシグナル伝達タンパク質が放出されます。つまり私たちの骨格筋がまるで内分泌器官のように、全身の細胞に影響を与える物質を血液中に放出して、様々な身体機能を調節しています。マイオカインは、骨格筋が収縮する時に血液の中へと分泌される様々なタンパク質やペプチドの総称です。
流れついた先で代謝やホルモンを変化させる科学信号として機能するため、インスリンを使わずに血流からぶどう糖を代謝するのを助けてくれます。さらにマイオカインは、幸福感と学習能力も向上させることが分かっています。
運動することによって脳への血流が増し、毒素の除去が進むだけでなく、新たな脳細胞の発達が促されることが明らかになっております。運動中、筋肉はカテプシBとアイリシンという2種類のマイオカインを放出します。それが循環系に入って血液脳門を通過し、脳由来神経栄養因子BDNFの生成を促します。
BDNFは、新たな神経細胞の形成を促し、学習と記憶を向上させてくれるものです。このBDNFレベルの上昇は、うつ病などの気分障害の発生を抑える効果があります。さらに海馬という学習や記憶に関わる脳の領域のサイズの拡大とも関連があることが知られています。
つまりマイオカインは全身の組織で体を調整するのに役立つだけでなく、組織ごとに異なる抗炎症効果を発揮してくれます。それによって免疫機能や代謝を向上させてくれます。このようなことから筋肉は、まるで甲状腺や副腎皮質や膵臓と同じように内分泌器官に近い働きをしていると言えます。
筋肉がミドコンドリア製造工場に変わる
体が食べ物から吸収する主要なエネルギー源はブドウ糖で、脳や心臓、消化器系の機能だけではなく、健康的な視力や皮膚を保つためにも不可欠な栄養素になっています。筋肉も代謝の燃料として、このブドウ糖を優先的に利用しています。体は血糖値が長時間高止まりするのを防ぐため、脂肪やタンパク質よりもブドウ糖を優先して燃焼します。
血糖値が高い状態が長時間続くと、ブドウ糖が有害化してしまいます。実際、糖尿病の人やそれに近い状態の人はブドウ糖がうまく処理できず、その結果として体の組織が傷ついてしまいます。体は摂取した余分なブドウ糖を概ね2 時間以内に処理するために、複数の仕組みを働かせています。つまり体にとってブドウ糖は、エネルギー源であるとともに毒でもあり、そのため体内のブドウ糖を素早く使うために、体は様々な仕組みを持っています。
こうしたブドウ糖を処理する仕組みの代表がインスリンです。インスリンは、私たちの血液中の糖を細胞内に取り込み、中性脂肪として蓄える役割があります。しかしこのインスリンの働きには、中性脂肪が増えすぎてしまったり、将来的に肝臓病のリスクになったりという問題があります。健康的な血液中のブドウ糖を下げるために何より大事なのが、炭水化物の摂取を適切に管理して、血糖値の反応を抑えることです。
例えば、炭水化物を多く含んだスナック類は、代謝の面でも非常に有害になります。このような糖質ばかりを摂っていれば、筋肉に脂肪がついて不健康な状態になってしまいます。それが慢性疲労や体力の低下、インスリン抵抗性、さらには日常的な活動への悪影響につながります。またこのような状態にならないためにもう1つ重要なのが筋肉を鍛えてあげることです。
筋肉を鍛えて、それをミトコンドリアの製造工場に変えることによって、体がブドウ糖を燃焼する効率が上がります。その結果、血糖を処理するためのインスリンシステムの負荷が軽減されます。つまりは健康な筋肉を身につければ、糖の代謝機能を最適化できることです。
体力が翌日以降も持続する
有酸素運動や筋力トレーニングで、筋肉が収縮すると筋肉の細胞がブドウ糖を摂り込んでくれます。このようにインスリンを必要としないブドウ糖の摂り込みは、血液から過剰なブドウ糖を除去するための機能になっています
さらに筋トレを行えば、体は運動終了後も最大2日間筋肉の収縮によるブドウ糖の摂り込みの恩恵を受け続けます。筋トレ後、しばらくは筋肉の細胞膜に存在するブドウ糖輸送体の密度が増し、過剰な血糖を除去し続けてくれます。
そのため必要なインスリンの量が少なくて済むことになります。さらに余ったブドウ糖は、グリコーゲンとして筋肉や肝臓に蓄えられます。その結果、短時間の激しい運動から長時間の自給力トレーニングまで様々な運動の燃料として、 このグリコーゲンが使われることになります。言い換ればトレーニング後に蓄えられたグリコーゲンが、次のトレーニングに必要なエネルギーを提供します。つまり蓄積と放出が交互に続くサイクルが形成されることになります。これによって体力がアップする効果が得られます。
また運動は、血糖値やインスリンレベルの管理に役立つだけではなく、筋肉を常に動いている状態に保つ助けにもなります。運動によってグリコーゲンが消費されると筋肉は、ブドウ糖を効率よく摂り込む準備が整います。その後、適切な栄養補給によってグリコーゲンが補充されることで、体はトレーニングを継続できる状態を維持できます。この健康的なエネルギーサイクルは、長時間にわって持続し、健康維持のメカニズムになります。
もしこのサイクルが働かなければ、筋肉が役割を果たせず、運動が体全体にもたらすプラスの効果が妨げられることになります。例えば良くない食べ物を過剰に食べ続け、無理やり押し込もうとするとブドウ糖や脂肪酸、アミノ酸などが溢れ出し、それらが血流に流れ込んで体に負担をかけます。体は何らかの方法でそのような余分なものを処理しなければいけません。それが病気の始まりです。
そして、筋肉が不健康になると脂肪が増え、その脂肪は体のあちこちで軽度の炎症を起こしてしまいます。それが慢性炎症です。適切でない食事によって筋肉の機能が乱れて炎症を引き起こし、様々な健康問題が束になって襲いかかります。
また筋肉の健康問題は、実は人生の早い段階で始まっていることが多いと言われています。若くて元気な時は多少のことでは体調は変わらないため、座りっぱなしで体を動かさない生活をしていても大丈夫だと思いがちです。しかし、体を動かさない健康的な生活など存在しません。
体力は根本の力
体力がある人と聞くと、多くの人は疲れ知らずで日常生活を軽々とこなし、年齢を重ねても変わらずパワフルな人物を思い浮かべるのではないでしょうか。一方で、少し体を動かしただけで夕方にはぐったりしてしまうという人も少なくありません。こうした慢性的な疲れやすさは、加齢だけが原因ではなく、体力そのものの衰えが大きく関係しています。
重要なのは、そのような人たちは決して生まれつき特別な能力を持っているわけではないという点です。むしろ、日々の生活の中でちょっとした良い習慣を積み重ねた結果として、疲れにくく動きやすい体を自然と手に入れているにすぎません。年齢のせいだと諦めるにはまだ早く、体力は正しいトレーニングによって何歳からでも高めることができるのです。厚生労働省は体力を「身体的な活動を行うために必要な力」と定義しており、これは単にスポーツができる能力を指すのではなく、私たちの日常生活を支える土台となる力そのものを意味します。
行動体力と防衛体力
体力を大きく「行動体力」と「防衛体力」の2つに分類があります。行動体力とは、文字通り体を思い通りに動かすための力のことで、買い物や掃除、通勤、階段の昇り降りといった日常生活のほとんどを支えています。この行動体力はさらに、筋力・持久力・心肺持久力・柔軟性・バランス能力・瞬発力という6つの要素に分けられます。
筋力は動作を起こす力であり、加齢とともに最も低下しやすくフレイルの入り口にもなり得ます。持久力は長く動き続ける力で、疲れやすさの原因として大きく関わっており、心肺持久力は息切れしにくい力として長距離の歩行や階段の昇降を支えます。
柔軟性は体のしなやかさを、バランス能力はつまずきや転倒を防ぐ力を、瞬発力は素早く反応して動く力を指し、いずれも転倒予防や怪我の防止に直結する重要な能力です。もう一方の防衛体力は、外的・内的なストレスに打ち勝ち、自分の健康を守るための力です。こちらは免疫力、ホルモンバランス、疲労回復力、精神的な強さという4つの要素から成り立っています。
運動によって血流やリンパの流れが促進されると免疫細胞の働きが活発になり感染症に強くなること、コルチゾールなどのストレスホルモンが抑えられセロトニンの分泌が促進されて気分が安定しやすくなること、深い眠りによって自律神経のバランスが整い疲労が残りにくくなること、そしてセロトニンやBDNFといった脳由来の神経栄養因子の活性化によってうつや不安の予防につながることなどが、その具体的な効果として挙げられています。
行動体力と防衛体力は、どちらか一方だけを高めればよいというものではありません。筋力はあっても風邪が治るまでに何日もかかる人は防衛体力が不足している可能性がありますし、病気にはなりにくくても坂道や階段で息切れしてしまう人は行動体力が不足しているのかもしれません。この2つをバランスよく整えることこそが、疲れにくく健康に長生きするための秘訣です。
筋肉を付けるための食事法
おすすめの食事の方法は、1日の摂取カロリーをおにぎり1個分(約200〜300kcal)だけ減らすというシンプルなものです。特に効果的なのが夜の糖質を控えることです。朝と昼はしっかり食べて、夜はおかずのみにしてご飯を省くだけで十分です。また、加工食品を避けて素材に近い調理法を選ぶのも効果的です。鶏肉なら唐揚げより蒸し鶏、豚肉ならとんかつよりしゃぶしゃぶ。それだけでカロリーコントロールが格段に楽になります。
そして筋肉をつけるためには、まず何よりも食事を改善することが重要です。そして筋肉をつけるための食事として、何より抑えたいのがタンパク質です。なぜならば筋肉の材料は、このタンパク質に他ならないからです。またタンパク質を中心とした食事は、運動と組み合わせると効果が倍増します。筋肉を減らさずに脂肪を減らすことができるため、健康的に減量ができます。
マクロ栄養素
きれいな体づくりには、PFCバランス(タンパク質・脂質・炭水化物の比率)が重要です。女性の理想的な割合は、タンパク質30〜35%、脂質25〜30%、炭水化物40%。意外と脂質や炭水化物の割合が多いと感じるかもしれませんが、このバランスであれば生理周期への影響も抑えながら、肌の潤いを保ちつつ無理なく続けられます。そしてマクロ栄養素は、筋肉をつけるための土台となる3 つの栄養素のことです。それがタンパク質と炭水化物、そして脂質です。
タンパク質
高品質なタンパク質はどんな栄養計画においても要となる要素です。タンパク質は筋肉・骨・血液など体の主要な構成成分で、体内に蓄えておくことができません。不足すると筋肉が分解されてしまうため、体重1kgあたり理想的には体重1kgあたり最低2.2gのタンパク質を摂取することを目指すべきです。つまり体重60kgの人であれば132gのタンパク質を1日に摂取しなければいけないという計算になります。
これは一般的に推奨されているよりも、かなり多めのタンパク質量になります。 この目安量から筋肉を増やしたい場合でも、脂肪を減らしたい場合でも、1食あたり30から50gのタンパク質を摂取することが筋肉量の維持に役立ちます。この数字は筋タンパク質の合成を支える必須アミノ酸であるロイシンなどの必要量から科学的に算出されたものです。
そして、この時注意しなければならないのは摂取する総カロリーからタンパク質量を割り出すという考え方は、時代遅れであることです。タンパク質は筋肉を含め、体の組織を保護するために不可欠であるため、総カロリーを抑える場合であっても一定量を保つ必要があります。
むしろ減量する場合は、タンパク質量を増加させる必要があります。あくまで体重1kgあたりの最低2.2gのタンパク質が基準になって、タンパク質については、カロリーについては無視して良いということを覚えておきましょう。また肉・卵・魚・大豆などアミノ酸スコアの高い食品から摂りましょう。プロテインはあくまで補助として活用するのが基本です。
炭水化物
炭水化物については、間違った理論やダイエット法が多く出回っており、人々の考えが混乱しています。1日のカロリーの45%から65%を炭水化物で摂るという説を聞いたことがあるかもしれません。これは毎日体を動かして働く肉体 労働者やアスリートの方にとっては適切なのかもしれませんが、デスクワーク中心で座って過ごすことが多い現代の成人にとっては多すぎます。これではカロリー過剰になる可能性があります。
そのため、特に活動量に問題のない人は、炭水化物とタンパク質の比率を1対1に保つことを意識しましょう。つまり一食あたりの炭水化物を30から50gに抑えてインスリンの反応を最小限にすることが大事です。ただし心拍数が一時的に120以上に達するような長時間の運動をした日は、摂取量を増やしても構いません。高強度の運動では1時間につき60g程度の追加が目安になります。
一方で活動量が少ない人は、1日あたり90から130gの範囲に炭水化物を収める必要があります。
脂質
脂質はホルモンの材料となる重要な栄養素です。不足すると髪や肌がパサつき、生理が止まることもあります。アーモンドやくるみなどのナッツ類から積極的に摂るようにしましょう。また脂質は全ての細胞膜を構成するだけでなく、脳の神経構造を保護する特殊な層も形成しています。
さらに脂質は筋肉にとって重要な燃料の供給も行っています。また脂質には1gあたり9kcalものエネルギーがあることです。そのため脂質を摂りすぎるとカロリー過剰になってしまい、場合によってはLDLコレステロールも上昇してきます。そうなると総カロリーを抑えるために大切なタンパク質を減らさなくてはいけなくなってしまいます。
こういったことから脂質だけは、タンパク質や糖質と違ってカロリーを意識して摂取する必要があります。1日あたり体重1kgあたり0.7g程度が目安であるとことを覚えておきましょう。
マクロ栄養素を組み合わせる方法
炭水化物、タンパク質、脂質を食事に取り入れる際の大原則として、まずは次の3点を抑えましょう。それは①常に好品質な食材を選ぶ、②炭水化物は野菜を中心に摂るです。
まずは、常に袋詰めされた超加工食品は避けてください。新鮮な野菜や果物、肉や乳製品、卵を購入し、自分自身で調理するのがベストです。炭水化物は、野菜を中心に摂りましょう。運動の前後やマクロ栄養素の計算の範囲内に収まるのであればデンプン質を摂っても構いません。
そして、さらに抑えておきたいのが失敗しない食べ方のコツです。食事はまず規則正しいリズムで食べることが重要です。食事は体内時計に影響を与え、時間の経過を体に染み込ませる重要な役割もあります。自分自身が立てた計画に 従うことが重要です。
そして、次に何を食べるのかを事前に計画し、週の初めに必要な材料を揃えておくことを意識しましょう。それによって外食を減らす効果があります。健康的な食生活のために自炊は基本中の基本です。そのため外食はできるだけ控えるようにしましょう。
健康的な食事方法
朝食でタンパク質を優先的に摂取する
健康のために、まず何より大事なのはタンパク質です。タンパク質の目標摂取量を守ることは、健康維持の上での優先事項です。それに比べれば炭水化物や脂質には調整の余地があり、カロリーの範囲内であれば好みによって配分を変えても構いません。炭水化物や脂質と違い、タンパク質由来のカロリーは、脂肪として蓄積されにくい特徴があります。
さらにタンパク質には、脂肪の増加を防ぐ効果があると言われています。エネルギーが過剰になった時、つまり食べすぎた時に脂肪肝の増加を防ぐ効果があります。その効果は、筋力トレーニングと組み合わせればさらに高まります。ただし目標摂取量を摂れば、それで良いというわけではありません。
タンパグ質は、どのタイミングで食べるかも重要になります。タンパク質を食べるのに最も良いタイミングは朝です。朝食は、睡眠という一晩の断食の後の最初の食事になり、その最初の食事で最も大事なのが必須アミノ酸のロイシンです。ロイシンを適切に摂取しなければ筋肉は、この食事には筋タンパク質の合成に必要な栄養素が足りないと判断してしまいます。
そのためロイシンが不足している場合、摂取したカロリーは筋タンパク質合成に使われず、運動で消費されなかった分が脂肪として蓄積されてしまいます。その結果、十分なタンパク質が摂取されるまで筋肉が分解され続けてしまいます。
しかし、朝食で十分なタンパク質を摂取すれば、筋タンパク質合成が進んで、長期的にも良い結果が得られます。実際、研究では朝食でタンパク質を多く摂ることによって、その後の食事パターンが良い方向に変わることが分かっています。
肥満、または肥満傾向にある女性を対象にした研究では、被験者を3つのグループに分け、タンパク質を摂らず炭水化物を中心に摂るグループ、13gのタンパク質を含むシリアルの朝食を摂ったグループ、そして卵と赤身の牛肉による35gの高タンパク質の朝食を取るグループの3つです。
その日の夕食前にFMRIを用いて被者の脳の反応を調べたところ、高タンパク朝食のグループのメンバーは、他のグループよりも満腹感を強く感じており、 脳のスキャンからもそれが裏付けられています。さらに夕方にかけて完食をしてしまう量も少なくなりました。
つまり1日の最初の食事でタンパク質を十分に摂取すれば、その後の食欲を抑えることができ、高脂肪や高糖質のスナックが欲しくなる時間帯であっても、誘惑に負けにくくなることになります。つまり朝食でタンパグ質を優先的に摂取することは、過食を防いで食習慣を改善するための最もシンプルな方法であると言えます。
炭水化物は食物繊維が豊富なものを選ぶ
炭水化物を摂りすぎると血糖値の急上昇や炎症を引き起こしてしまいます。そのため普段の食事では、炭水化物の量に気をつけることが重要になります。そこで炭水化物を選ぶ時は、含まれる糖質と食物繊維の比率に注意しましょう。
具体的には、糖質が食物繊維の6倍未満のものを選んでください。これはできる限り、食物繊維の比率が高い炭水化物を食べようということです。それさえ 満たせば、好みのものを選べば良いでしょう。
また、考慮すべきもう1つの点が、ポリフェノールやその他のファイトケミカルです。ファイトケミカルは、植物が自らを守るために作る天然の科学物質のことで、抗酸化作用や抗炎症作用があることが知られています。特に野菜や果物にはこのような有益な成分が多いため、積極的に摂取すべきであると言えます。
ちなみにタンパク質の必要量さえ満たしていれば、炭水化物と脂質の割合は自由に調整して構いません。ただし炭水化物の総量は適正な範囲に納めましょう。また炭水化物や糖質を完全に抜くという食事法が流行していますが、そのような食事はお勧めしません。なぜならば炭水化物には、筋肉の肥大を助ける働きがあるからです。
脂質はできる限り自然食品から摂取する
脂質は、その種類によって体に与える影響が大きく異なります。そのため脂質を食事に摂り入れる際は、量よりも質を意識することが大事です。特に意識したいのが自然な食材を活用するということです。野生植物の多くには、オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸がバランスよく含まれています。野生のブルーベリーは、栄養価も生理活性成分も非常に多いことが知られており、栽培よりも優れていると言われています。
また魚に関しても、養殖は天然の魚よりもオメガ3脂肪酸の含有量が少ないと言われています。鶏の卵黄についても同じことが言えます。卵黄に含まれるオメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸の比率は、放し飼いの鶏の卵はオメガ3脂肪酸の比率が高いのに対し、一般的な卵ではオメガ6がはるかに高い比率になるとされています。
オメガ6の比率が高すぎると体内で炎症が引き起こされてしまうことが知られています。このようなことから脂質については、量よりも質のコントロールを徹底するということが大切であると言えるでしょう。
空腹と本当の空腹を見分ける
健康的な食事のためには、ただ健康的な食材を選ぶだけでは足りません。本当に自分の体が、その栄養素を必要としているタイミングで摂取することが大事です。そこでまやかしの空腹感と本当の空腹感を見分けるということです。食べ方の習慣は、摂取する栄養素と同じぐらい重要であり、まやかしの空腹感と本当の空腹感を見分ける能力は、健康的な食の結果を左右する重要なポイントになります。
そのため自分の心を見張って、今なぜこれを食べようとしているのかを常に意識するようにして欲しいです。現実逃避やただ口寂しいというだけの理由で食べてはいけません。まやかしの空腹感は、主に心理的な理由による空腹です。無意識の癖やストレス解消、やめられない習慣などによって限度以上に食べすぎてしまいます。一方で本当の空腹は、身体的な理由による空腹です。
カロリー不足や低血糖、お腹が鳴るなどで起こるもので心理的な作用とは無関係です。こうした本当の空腹感は満足できたところでやめられるため、体にとって本当に必要な栄養素を適正な量だけ摂取することができます。
筋肉を最適化するための食事プラン
私たち成人の多くは、筋肉を増強する必要があります。筋肉を増やすためには、筋力トレーニングだけではなく、タンパク質の摂取量の最適化が必要です。そのためタンパク質の吸収のペースを考慮して、1日4回の食事をすることを推奨しています。具体的には3から4時間ごとに食事をします。これによって筋肉の成長に必要なタンパク質を確保でき、筋肉を刺激するペースも調整することができます。
また、運動の前後には十分に炭水化物を摂取する必要があります。そして残りは1日の中で、バランスよく分けて摂取しましょう。運動の2時間前には炭水化物と食物繊維のバランスが良い食事、例えばブロッコリーや高繊維のオートミールを摂取してください。直前に摂取すると運動開始時のインスリン反応が高くなり、パワーや瞬発力、自給力が低下するデータがあります。
一方で運動後には、炭水化物が主体の食品、例えばバナナなどを摂取するのが有効です。またトレーニングの前後には、脂質の少ない食事を取ることも意識しましょう。脂質はカロリーが高いにも関わらず、すぐにはエネルギー源になりません。消化や胃内容物の消化を送らせるため、運動中に不快感を覚えることもあります。筋肉をつけるための食事で、最も重要なのは、1日のタンパク質量と必要なカロリーを満たすことです。
このようなことから、例え減量のための食事であっても、筋肉を増やすことを意識して設計する必要があります。また食事だけでは取り きれない要素については、クレアチンなどのサプリメントを併用するのもおすめです。ただしあくまで食事から栄養を摂ることが基本中の基本で、サプリメントは補助的な役割であることを覚えておきましょう。
また、食事を食べる順番も重要です。まずはタンパク質を含む料理を先に食べ、それから他の料理に手を伸ばしてください。健康のためにはベジタブルファーストと言って、野菜を先に食べると良いと聞いたことあるでしょう。 確かにそれは血糖値の乱高下を抑えるなど、一定の健康効果はあります。しかし筋肉を増やしたいなら、最も優先順位の高いタンパク質を最初に体に摂り入れるべきです。
また食事量が多すぎて完食できない時でも、筋肉の健康にとって最も重要なタンパク質を優先して食べてください。つまりお腹いっぱいでも、肉などのタンパク質を先に食べ、野菜やご飯を残すことです。そしてもう1つ大事なのは、休息と回復のための時間を確保することです。筋肉の成長には、食事とトレーニングが欠かせませんが、もう1つ重要な要素が回復のための時間です。そのため体の成長と修復が行われる睡眠をしっかり確保してください。
日本人の多くは十分な睡眠時間が取れていません。慢性的な睡眠不足は血糖値や内分泌、ホルモンを乱し、肥満やインスリン抵抗性、新二型糖尿病の問題につながります。実際、研究では睡眠が乱れると筋タンパク質の合成の速度が低下することが知られています。
筋肉を衰えさせる食品
一つ目に注意したいのが、減塩をうたうインスタント食品です。塩分を控えた分、味を補うために大量の化学調味料が使われていることが多く、なかでも旨味調味料として使われるグルタミン酸ナトリウム(MSG)には注意が必要だとされています。
MSGの摂取が腸のバリア機能を低下させ、全身の炎症の原因になりうる可能性が指摘されており、炎症が慢性的に続くと筋肉ではタンパク質の合成より分解が優位になり、加齢による筋肉減少であるサルコペニアが進行しやすくなると言われています。腸腰筋のような細く繊細な筋肉は特にこの影響を受けやすく、気づいたときには機能が大きく低下していることもあるため、たとえ減塩と表示されていても人工添加物の多いインスタント食品はできるだけ避けたほうがよさそうです。
二つ目は、糖新生によって筋肉がやせてしまう主食抜きの生活です。極端な糖質制限は血糖値の急上昇を防ぐ一方で、体のエネルギー源である糖質そのものが不足するため、体はエネルギー不足を補おうと筋肉のアミノ酸を材料として使ってしまい、結果的に筋肉が分解されて減少しやすくなります。体力や筋肉量が落ちれば外出がおっくうになり、歩く機会が減って腸腰筋を使う頻度も下がるという悪循環に陥りかねません。
とはいえ糖質の摂りすぎも血糖値の急上昇を招くため、お米や芋類などを一度冷やしてレジスタントスターチに変えてから食べるという工夫が、血糖値の上昇を穏やかにしつつ腸内環境の改善にもつながる方法として勧められています。ただしパンなどの小麦製品は、冷やしてもグルテンの影響が残るため対象には含まれません。
三つ目は、筋肉を包むコラーゲン繊維を硬くしてしまう菓子パンやスナック菓子です。これらは糖質とタンパク質を高温で一緒に加熱することでAGEs(終末糖化産物)と呼ばれる老化物質を大量に生み出し、これが筋肉やそれを包むコラーゲン繊維に蓄積することで組織が硬くなり、しなやかさが失われていくとされています。
加工食品はカロリーが高い割にタンパク質がほとんど含まれておらず、筋肉の維持や成長に必要な材料が不足しがちです。実際、加工食品の摂取量が多い人ほど筋肉量が低下しやすいという報告もあり、特に高齢者ではその傾向が顕著だとされています。日々の食事では加工食品を最小限にとどめ、肉や魚といった天然のタンパク質をできる限りしっかり摂ることが、腸腰筋をはじめとする全身の筋肉を守る近道だと言えるでしょう。
体力がつく3つの習慣
トレーニングの効果を最大限に引き出すための習慣は、少しずつ負荷を増やしていくという「全身性化の原則」です。同じ負荷にさらされ続けると体はその刺激に適応してしまい、それ以上の成長が止まってしまいます。そのため、スクワットの回数やセット数を少し増やす、動作のスピードを変える、可動域を広げる、ペットボトルなど身近な道具を使うといった小さな工夫を積み重ね、ちょっときついと感じる程度の負荷を保ち続けることが、長く成長を続けるための鍵になります。
2つ目は、運動ゼロの日を作らないという習慣です。運動には、その人の体力や体調、年齢、性別に合わせて方法を柔軟に変えるべきだとする「個別性の原則」という考え方があります。同じスクワットでも膝に痛みがある人は浅くしゃがむだけで十分な運動になりますし、その日の体調に応じてストレッチだけ、あるいはウォーキングだけで終える日があっても構いません。
大切なのは完全に休んでしまうのではなく、内容を調整しながら運動習慣を途切れさせないことです。実際、週に1回1時間運動するよりも毎日数分でも体を動かす方が効果的であることが知られており、これは「継続性の原則」とも呼ばれています。
3つ目は、日常の動作そのものを運動に変えるという習慣です。厚生労働省の調査によれば、40代から60代の約6割が運動不足を自覚していながら、実際に運動習慣を身につけている人は半数に満たないといいます。多くの人が挙げる理由は「忙しくて時間が取れない」というものですが、運動はジムで汗を流すことだけを指すわけではありません。
エレベーターの代わりに階段を使う、横断歩道を少し早歩きで渡る、テレビを見ながらその場で足踏みをするといった、特別な時間や道具を必要としない工夫だけでも、体温や血流の向上、免疫力の強化、自律神経やホルモンバランスの安定につながります。さらに、運動によって集中力や判断力が高まることで、その後の仕事や家事がかえって効率よく進むようになるとも言われています。
体力をつけるためには、行動体力と防衛体力をバランスよく鍛え、無理のない範囲で負荷を高めながら運動をゼロにしない日々を積み重ねることで、誰もが目指せる状態だということです。短距離走ではなく長距離マラソンのつもりで、焦らず自分のペースで続けていくことが、疲れにくく若々しい体への一番の近道だといえるでしょう。
筋トレの前にストレッチする
30歳を過ぎると痩せにくく太りやすくなる理由の一つが、体の硬さです。ガチガチに固まった体のまま筋トレをしても、狙った筋肉に刺激が届かず効果が出にくいのです。特に重要なのが肩関節と股関節ののストレッチです。この2つが硬いと大きな筋肉をうまく動かせず、筋肉量が増えにくくなります。
また体が硬い状態でトレーニングを続けると関節への負担が増え、怪我のリスクも高まります。以下の4つのストレッチで、まず体を整えることから始めましょう。
ストレッチ①|首・胸コロコロ(上半身のこりをリセット)
コンディショニングボール(またはテニスボール)を使い、耳の下→首筋→鎖骨まわり→肩の付け根→胸全体の順にゆっくり圧をかけながらほぐします。痛気持ちいい程度の強さで往復させ、左右合わせて約2分が目安です。骨の上には直接当てないよう注意しましょう。
ストレッチ②|背中コロコロ(体の裏側をほぐす)
仰向けになり、肩甲骨の内側から腰にかけてボールを転がします。続いて横向きになり、お尻の外側を圧迫。最後に太ももの裏(ハムストリング)をほぐします。体の裏側全体を広範囲にほぐすイメージで、左右合わせて約2分行いましょう。
ストレッチ③|座ったままできる首ストレッチ
床に座り両手を後ろで組んで下に引っ張りながら胸を張ります。その状態で首を右回り→左回りにそれぞれ10回。次に顎を上げて首をそらし10秒キープ。最後に右手を頭に添えて横に倒し、首筋を10秒伸ばします(左右両方)。首まわりには神経が多いため、優しく丁寧に行いましょう。
ストレッチ④|股関節&お尻ストレッチ
左足を後ろに伸ばしやや前傾して座り、膝の角度を90度(難しければ45度でも可)に保ちます。上半身を前に倒して右足の太もも裏とお尻を10秒伸ばします。続いて内もみほぐしと、上半身を前に倒す股関節ストレッチを行います。無理をせず、気持ちよく感じる範囲で丁寧に行いましょう。
イージーヒット
何歳になっても体力をつけるための3つのエクササイズを組み合わせた「イージーヒット」という運動があります。ヒットとは高強度インターバルトレーニングの略で、全力に近い運動と短い休憩を交互に繰り返すことで短時間でも高い効果を得られるトレーニング法として近年注目を集めています。
最大の特徴は「アフターバーン効果」と呼ばれるもので、運動が終わった後も代謝が高い状態が続き、しばらくの間カロリー消費が継続するという現象です。そのため、有酸素運動のように長時間体を動かし続けなくても、短時間で高い脂肪燃焼効果が期待できます。さらに、有酸素運動とスクワットやランジのような自重トレーニングを組み合わせることで、筋肉を保ちながら脂肪を落とすことができ、筋力アップと脂肪燃焼を同時に狙える点も大きな魅力です。
心肺機能の向上や自律神経・ホルモンバランスの調整にも効果が期待できるほか、1回あたりの運動時間が短いため、忙しい現代人でも継続しやすいという利点があります。また、スクワットやステップなど自分の体重を使ったコントロールしやすい動作が中心となるため、関節への過度な負担を避けながら全身を効率よく鍛えられ、運動による怪我を防ぎつつ怪我をしにくい体づくりにもつながります。
体力を上げる3つの基本トレーニング
イージーヒットを構成する1つ目のトレーニングは「スタンドアップ」です。体への負荷が比較的軽く、太ももやお尻といった大きな筋肉を使うことで効率よく下半身を鍛えられ、基礎代謝の向上にもつながります。安定した椅子に浅く腰かけ、足幅を肩幅程度に整えたら、両手を胸の前で組んで背筋を伸ばし、股関節からお辞儀をするように上体を前へ倒します。そのまま足裏全体で地面を押し、お尻の筋肉も使うイメージでゆっくりと立ち上がり、逆の動きで静かに椅子へ座ります。立ち上がる際に顎が上がると背中が反ってフォームが崩れやすくなるため、視線はやや前方に保つことが大切です。
2つ目は「バックステップ」です。片足ずつ動かす左右非対称のこの運動は、普段の歩行や階段の昇り降りといった日常動作に直結しており、体幹やバランス能力を同時に鍛えられるため転倒予防にも直結します。背筋を伸ばして直立した姿勢から片足をゆっくり後ろへ引き、前足の膝が90度程度になるまで腰を落とし、後ろ足で軽く地面を押しながら元の位置に戻ります。前足の膝が内側に入ると膝関節に余計な負担がかかるため、最初はゆっくりとフォームを確認しながら行うとよいでしょう。
3つ目は「リズミカルジャンプ」です。全身を使って軽快に跳ねるこの運動は、上下運動によって心肺機能を刺激し、効率よく脂肪を燃焼させます。両腕を真横に広げた姿勢から、軽くジャンプすると同時に足を開いて両腕を頭上まで上げ、着地後すぐに元の姿勢へ戻る動きをリズミカルに繰り返します。地面から10〜20センチほど浮く程度の小さなジャンプで十分効果があり、膝に不安がある場合はジャンプの代わりにスクワットと腕の開閉運動を組み合わせても構いません。骨に適度な刺激を与えるため骨粗鬆症の予防にも役立つとされ、瞬発力を取り戻す上でも効果的な運動です。
イージーヒットの実践方法
3つの基本トレーニングのフォームが身についたら、これらを組み合わせたインターバル形式での実践に移ります。まずは各種目を10秒間ずつ行い、フォームが安定してきたら20秒、さらに慣れてきたら30秒を目指します。大切なのは回数をこなすことではなく、時間内にできるだけ正確なフォームで素早く動くことです。フォームが崩れたまま続けると、効果が得られないだけでなく怪我につながる可能性もあります。
種目間の休憩は、最初は30秒程度を目安にし、初心者や体力に不安がある人は60秒でも問題ありません。慣れてきたら休憩を50秒、40秒、30秒と少しずつ短くしていき、体力に自信がついてきたら最終的に10秒まで縮めても構いません。まずはこの一連の流れを1セット行い、体が慣れてきたら2セット、3セットと少しずつ増やしていくことで、無理なく負荷を高めていくことができます。
女性の筋トレの目的は「引き締め」にある
女性の筋トレは、ただ重いものを持ち上げることではありません。絞りたいところを引き締め、メリハリのあるボディを作ることが目的です。筋肉がつくと毛細血管の密度が増えて血流が改善し、全身の細胞が活性化。免疫力向上や骨の強化にも役立ちます。
効果を最大化するポイントは、大きな筋肉を使い、複数の関節を動かす種目を選ぶこと。そして正しいフォームで行うことが何より重要です。
筋トレ①|ブルガリアンスクワット—圧倒的なヒップラインを手に入れる
椅子に右足をのせ、左足を前に出して片足立ちになります。上半身をやや前傾させ、太ももと床が平行になるまで3秒かけてゆっくり腰を落とし、同じ軌道で3秒かけて戻ります。左右各15回×3セットが目標です。ポイントはお尻を後ろに突き出して前傾姿勢を保つこと。膝から先が先に動いてしまうフォームは膝への負担が大きく、お尻に効かないのでNGです。
筋トレ②|ルーマニアンデッドリフト—太もも裏のセルライトを撃退する
両手に2Lペットボトルを持ち、背筋を伸ばして肩甲骨を寄せた姿勢でスタート。お尻を後ろに突き出すように股関節を折りたたみながら、ペットボトルを太ももの前面に沿わせてゆっくり下ろします。太もも裏にビリビリとした刺激を感じたら効いているサインです。15回×3セットが目標です。ペットボトルが体から離れると効果が半減するため、常に体に沿わせることを意識しましょう。
筋トレ③|ダンベルベントロー—天使のような美しい背中を作る
両手にペットボトル入りのバッグを持ち、膝を軽く曲げて約60度前傾した姿勢でスタート。肩甲骨を内側に寄せながら肘を後ろに引き、1秒キープして3秒かけて元に戻します。15回×3セットが目標です。腕で持ち上げるのではなく、背中の筋肉で引く感覚が重要です。手のひらを上向きにして握ると、背中の上部から腰まで満遍なく鍛えられます。肩が上がってしまうと背中に刺激が入らないため、肩をしっかり下ろした状態を保ちましょう。
筋トレ④|膝つきプッシュアップ—デコルテをふっくらとさせる
膝をついた腕立て伏せです。両手は肩幅よりやや広めに置き、胸を張りながら肘を90度に曲げてゆっくり深く沈み、元に戻します。10回×2セットが目標です。肩甲骨をしっかり下げること、脇を軽く閉めてお腹を引き上げることを意識すると、大胸筋にしっかり効いて二の腕の引き締めにもつながります。手の位置がバストトップより上になると肩や首に余計な力が入ってしまうため注意しましょう。
「筋トレ前にストレッチする」「女性の筋トレの目的は「引き締め」にある」:結局、筋トレがいちばんキレイにやせる近道 / Miyako / 世界文化社
【本コラムの監修】

・経歴
大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。
















