美容鍼でヒアルロン酸を増やす

    美容鍼でヒアルロン酸を増やす

    ヒアルロン酸と言えば保湿を思い浮かべますが、実はヒアルロン酸は保湿だけではなく、肌の透明感を生んだり、老化防止に役立ちます。そしてどうやったらお肌のヒアルロン酸を維持できるかが分かっています。

    ヒアルロン酸とは

    ヒアルロン酸は、私たちの体の中で作られ、グルクロン酸とN-アセチルグルコサミンと言う2つの糖から成り立つ高分子の成分です。その分子量は大きく、肌の中に入ってきたお水をしっかり抱えることによって保湿します。このヒアルロン酸は体のいろんなところにあり、例えば骨、目、関節の中にもあります。そして体の半分以上のヒアルロン酸は皮膚にあると言われています。

    このようなヒアルロン酸は、実は作られたらすぐ壊されことになっています(半減期)。例えばコラーゲンは、半減期が長くて年単位ですがヒアルロン酸は新しく作られたものは、翌日にはもう壊されて新しいものが作られています。ただし半減期は、加齢と共に長くなり、1日間から5日間ぐらいで、できたものは壊されていきます。

    このような合成と分解のバランスが取れてれば良いですが、30代ぐらいからバランスが崩れ、60代になると30代の半分ぐらいのヒアルロン酸の量になると言われています。もちろん肌の水分量も減っていきますが、肌自体が乾燥してしまうのは、水分量が減るだけではありません。実はヒアルロン酸には水分を抱える以外の能力もあることが最近分かってきています。

    ヒアルロン酸お肌の中の角層、表皮、真皮にもありますが、その多くは真皮にあります。ハリ感やツヤ感を出すためには真皮のヒアルロン酸をしっかり保つことで真皮のヒアルロン酸の分解を抑えてくれることも分かってきています。

    表皮のヒアルロン酸

    ヒアルロンさんは表皮の細胞間を埋めるように存在しており、水分を抱え込むことができるため、保湿の効果としてヒアルロン酸を肌に入れましょうと言うことですが、それだけではなく、栄養を表皮の細胞に渡したり、老廃物を回収したりするのもピアルロン酸と言うことが分かってきています。

    真皮には血管がありますが、表皮には血管がありません。そのためヒアルロン酸が細胞と細胞の間にあることによって水路のような役割をしているため、表皮のヒアルロン酸が少なくなると水分量が低下するだけではなく、細胞同士の連携や細胞自体のエネルギーが低下してしまいます。表皮の細胞のエネルギーが低下してしまうと、紫外線が当たってメラノサイトがメラニンを作って表皮の細胞に受け渡す時に、ターンオーバーが正常であればメラニンを含んだ表皮の細胞は出ていきますが、ターンオーバーが低下することによって濁り感みたいなものが起こり、シミがピンポイント現れるというより全体的になんとなくくすんでいるなどの肌全体のくすみや肌の色ムラは、表皮のピアルロン酸が低下していることも関係があることが分かって来ています。

    ヒアルロン酸は肌に浸透しない!?

    そう考えるとヒアルロン酸をお肌に入れ込むことが大切になりますが、ただしヒアルロン酸は分子量が大きいため、中々お肌に浸透しません。単に膜を張っていくだけでなく、しっかり入れ込んでいけないため、各化粧品メーカーが低分子のヒアルロン酸を開発しています。

    低分子のヒアルロン酸は水分を抱え込む能力が少なくなるため、例えば炎症を抑えるようなヒアルロン酸などが考えられています。その他にも以前、話題になったビオパフォーマンススキンフィラーを開発した資生堂は、夜1剤、2剤を朝入れることによって表皮まで浸透したヒアルロン酸の分子を大きいものにしていく独自の技術があります。まずは浸透が開発のトレンドでしたが、ヒアルロン酸は毎日作られて毎日壊されているため、合成の能力 を高めて透明感やふっくら感を起こすことになるため、その合成を促進させるかに研究のペースがシフトしています。

    このヒアルロン酸研究は、ロート製薬や資生堂は小さくする技術が上手いメーカーですが、合成を促進する成分を研究しているのはカネボウです。ヒアルロンさん研究の神様と言われる研究者の方がおり、表皮のヒアルロン酸合成のメカニズムや抑制のメカニズムを長年研究しています。もちろん真皮の研究もしており、真皮での合成と抑制も同じく分かっています。

    真皮のヒアルロン酸の合成を促進するアクアセリン120、分化抑制するワレモコウエキスを発見したのがカネボウの研究チームです。表皮の合成促進は分かっていますが、抑制することはまだまだ研究の途中のようです。しかし表皮の合成を促進させれば、表皮のヒアルロン酸もアップするという中でカネボウが研究して見つけたのが天然のNAGです。この成分が入っているのがTWANYのスキンオーラジェニックです。NAG2.0が入っており、効率よく表皮のヒアルロン酸を増やす美容液になっています。

    一方で、表皮のヒアルロン酸が真皮に落ちている可能性を示唆した論文が2022年に発表され、表皮と真皮の間にある基底膜をケアすることによって表皮のヒアルロン酸を増やすことができるのではないかと研究で分かってきています。基底膜の研究と言えばディオールが肌細胞を再生していくことを研究しており、カプチュールトータルヒアルショットは、低分化したヒアルロン酸だけでなく、基底膜の穴を塞ぐような成分が入っており、表皮のヒアルロン酸が真皮に落ちていかないようにして、表皮のヒアルロン酸の量がアップする、抑制のアプローチからの新技術が入っています。

    これらから考えると改めて表皮のヒアルロン酸を増やすようなものを今のうちに使い、表皮を元気にしておくことは、これから紫外線が増えていく時期にもすごく良いでしょう。また表皮の細胞がちゃんとターンオーバーしていかないと、そもそも肌はヒアルロン酸を作らず、肌がターンオーバーすることによってヒアルロン酸や細胞間脂質を増やしていくため、基底膜にどれだけアプローチをしてターンオーバーを促すかと言うこともすごく大事です。

    外からのケアではなく内からのケア

    実年齢よりも肌年齢がグっと若い人がいるのは、外から内へのケアではなく、内から外へのケアがポイントです。そしてシミのない人の共通点は、食事内容を徹底していることです。どうしてシミがない人の共通点が食事内容なのか、それを知るためには、シミができる仕組みを知っておく必要があります。

    まず、肌は大きく分けて3つの層があり、1番上が表皮、その下に真皮、1番下が皮下脂肪です。肌の下で正常に細胞分裂が起きると、その細胞は上へと押し上げられ、最終的には垢となって落ちていきます。この一連の流れをターンオーバーと言い、細胞が生まれては死ぬ、この繰り返しだけならシミは理論上出てきません。

    しかし、肌に紫外線や摩擦などの刺激が加わると表皮の奥にいる細胞が黒いバリア、メラニンと言われるシミの元凶になるものを作り出します。年齢が若い時であれば28日周期のターンオーバーで排出されますが、ターンオーバーは20代でピークを迎えて、40代50代と年齢を重ねるにつれて周期が遅くなってしまいます。シミの原因となるメラニンが下に沈着し、上に上がれなくなり結果的にシミができてしまいます。

    もしも代謝が落ちずにターンオーバーがしっかり繰り返せれば、シミは上に押し上げられて、いずれは必ず消えるはずです。もっと言うと理論上シミは一生 できないことになります。つまり肌の代謝を落とさないこと、ターンオーバーの28日周期を維持することが、シミを作らない上で大切になります。

    ターンオーバーを維持する方法

    実は、肌の状態を決めているのは腸と言われています。そして腸の状態は基本的に食べたものによって決まります。だからこそ食事から腸の状態を整えてあげれば顔の肌はもちろん、体全体の状態は良くなって28日周期のターンオーバーも維持しやすくなります。

    そして腸にとって最高の状態が善玉菌が優位な状態です。もし腸内が悪玉金優位だと、腸の壁から毒素が溢れ、体中を巡ってしまいます。毒素が体中を巡るとそれを解毒するために肝臓に負担が掛かり、体全体の代謝が落ち、新しい細胞が生まれになってターンオーバーの周期が遅れ、シミを外に追い出せなくなります。

    悪玉金を増やしてしまう食品

    まずは悪玉金を増やす食品の中でも特に代表的なものは動物性のタンパク質です。残念ながらお肉は悪玉菌の大好物のため、食生活がお肉中心の食事になっているなら、まずはお肉を少しずつ減らして、タンパク質は主に豆類から取るのが無難でしょう。また和食中心の食事にすることも大事です。

    実は美肌やアンチエイジングに良い食べ物と言われているコーヒーとナッツは、胃の状態を悪くするカビに注意が必要です。例えばブラジル産のコーヒーを検査した研究では、加工前の90%以上の豆がカビに犯されていたことが分かっています。別の研究ではレギュラーコーヒーのほぼ50%にカビが生えているということが判明しています。実際コーヒーのカビ毒に安全基準を設けている国は多く、コーヒーの豆の質にはこだわるべきでしょう。また最近ではデカフェコーヒーも流行っていますが、これにも低品質な豆が使われる傾向にあるから注意しましょう。

    そして、ナッツ類も特にカビが発生しやすい食品の1 つとされています。ナッツにカビが生えてしまうと発がん性の高いアフラトキシンという物質が発生してしまう危険性が分かっています。当然ながら海外から輸入されたナッツは収穫されてから時間が経っているため、その分カビが発生しやすくなると考えてもおかしくないでしょう。ちなみに日本で栽培されているナッツは安全性が高く、国内産でアフラトキシンが検出されたことはないそうです。

    ターンオーバーの周期を維持するための善玉菌を増やす食品

    「まごわやさしい」を聞いたことがありますか。これは善玉菌を増やす食品の頭文字、和の食材の頭文字を覚えやすく語呂合わせにした合言葉です。「ま」=豆、「ご」=ごま、「わ」=わかめ、「や」=野菜、「さ」=魚、「し」=しいたけ、「い」=芋です。7種類の食材をまんべんなく摂り入れることで、善玉菌を増やすことができます。

    もう1つの善玉菌を増やす食品は、納豆やキムチなどの発酵食品です。これらの食べる上で気を付けることはたった1つ、偏った発酵食品を食べないことです。ぬか漬けや味噌、酒粕、ヨーグルトなど、いろんな種類の発酵食品を幅広く摂ることで腸内細菌の多様性が維持しやすくなります。

    そして腸の健康のためにおすすめの食材に大麦があります。大麦は日本では明治時代の一般庶民で挽割飯(ひきわりめし)として摂取していました。挽割飯は、米4から6に対して大麦を6から4の割合で焚いたものです。昭和40年頃まで日本人が米の次に多く食べていたのは大麦です。大麦には、現代人が不足しがちな水溶性食物繊維が豊富に含まれており、特に次のような効果が認められています。

    ①大腸内に存在する善玉金の栄養原になり全玉金を増やす

    ②全玉菌が増えることで腸内環境が整えられ、悪玉金の増加を抑制する

    ③大腸の表面細胞を正常にして癌細胞に変化するのを予防する

    アンチエイジングのメカニズム

    外見や美容に関するアンチエイジングは、その正確なメカニズムは良く分かっていません。老化は人によって進み方が異なります。だだし老化は病気であると捉える考え方は、医学会では常識になりつつあります。老化は原因を突き止めて、ある程度は予防や対策ができる時代になってきています。

    老化の原因は「酸化」「糖化」「慢性炎症」の3つです。特に「酸化」と「糖化」は、私たちの細胞の劣化の引き金になっていると考えられています。

    私たちの体に欠かせない「酸素」は、その一部が「活性酸素」に変化して、細胞の主な成分であるタンパク質を傷つけ、劣化させてしまいます。次に「糖化」は、体の中でタンパク質がブドウ糖に結合して起こる反応であり、この反応により「終末糖化産物(AGE)」がつくられ、これが肌のシミやシワの最大の原因になります。また見た目の問題だけでなく様々な病気の原因になります。

    一方で「酸化」と「糖化」は、細胞の劣化を引き起こすだけでなく、「慢性炎症」を引き起こし、様々な病気や不調の原因なってしまいます。

    これら原因の対策には、食生活と運動の習慣を変えること以外あり得ません。「酸化」を防ぐ食べ物は、ビタミンA,C,Eなどの抗酸化ビタミンやポリフェノール、カロテノイドといった成分を含む食品です。具体的には、人参、かぼちゃ、ピーマン、パプリカ、ブロッコリーなどの色の濃い緑黄色野菜を積極的に食べましょう。また果物、ワカメや昆布などの海藻類、キノコ類などもおすすめです。

    「糖化」を防ぐためには、まずはできるだけ高温調理されたお肉やお魚は避けることが対策の一つです。なぜならAGEは高い熱を加えた調理によって大量にできてしまう特徴があるからです。具体的には肉や魚を揚げたもの、直火で高温で焼いているものです。そして悪性のAGEはブドウ糖からつくられることが分かっているため、血糖値が上がる糖質やタンパク質の過剰な摂取は控えましょう。具体的にはお菓子、ジュースは絶対に控えましょう。沢山食べることで、血糖値が急激に高まり、この急激な変化がAGEを体内に貯めてしまう原因になることが指摘されています。

    美容鍼でヒアルロン酸を増やす

    肌は、表皮、真皮、皮下組織という3つの層から成っており、ヒアルロン酸で大切なのは、真皮のヒアルロン酸をしっかり保つことだけでなく、表皮と真皮の間にある基底膜をケアすることによって表皮のヒアルロン酸を増やすこと、表皮の細胞をちゃんとターンオーバーを促すことがすごく大事です。

    美容鍼のアプローチ

    肌に鍼を刺すことで、真皮や基底層、その下の皮下組織を刺激することで細胞が活性化し、ヒアルロン酸だけでなく、コラーゲンやエラスチンの代謝が活性化、また血流やリンパの流れを増やすことで、細胞組織が新たに生まれ変わりを促し、肌に潤い、ツヤ、ハリが蘇ります。また表皮に微小の鍼による穴によって美容液を、より奥まで浸透させることができるため、美容液本来の効果を狙うことができます。

    【本コラムの監修】

    恵比寿院長

    HARRNY 院長/鍼灸師 菊地明子

    ・経歴
    大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。

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