東洋医学で診る、シワ・シミ

東洋医学で診る、シワ・シミ

東洋医学の特徴の1つに「弁証論治」があります。これは表面に現れる症状に対処するのではなく、その原因を根本から治すという考え方です。例えば「シミ」は、表面のシミを取り除くのではなく、体内にその原因があると考え、それを取り除くことが根本的な予防もしくは治療になるということです。

また、東洋医学の最大の特徴として、自ら健康になろうとする力である“自然治癒力”を高めることを重要視しています。そしてシワ・シミは、病気を引き起こす手前の”未病”の状態とも言えます。つまり未病の段階からアプローチすることで、シワ・シミを防ぎより健康な肌へと近づくことができます。

もちろん、シワ・シミは誰にでもできるものですが、その程度に個人差があります。その違いは、新陳代謝、血流の状態などによります。特に「肌は内蔵を映す鏡」と言われるように、内蔵機能が低下すると肌の状態も悪くなります。働きが低下している部分にしっかりアプローチすることで、予防・改善の効果が期待できます。

症状別の原因

まずは、お顔の症状別でその特徴と原因を確認してみましょう。

症状特徴原因
シミ大きなシミ多数のシミ濃いそばかす肌のくすみ  シミの原因となる紫外線ダメージは、血流が悪いと、よりトラブルが大きくなります。 血液が滞っていると不要な老廃物が溜まり、シミができやすくなります。また日焼けすると色が消えにくくもなります。 さらにシミだけでなく、肌のくすみ、目の下のクマ、肌の白さが失われます。
小ジワ小ジワの目立小ジワが多い肌の乾燥肌のかゆみ  肌に血液や栄養が十分に受け取れないため、潤いが失われ、肌が萎み、カサカサになります。 肌の乾燥で小じわができやすくなります。また血液からの栄養が不足すると、小ジワから大きなシワへとトラブルになります。特に夜更かしは栄養の元である血を消耗することになります。
縦ジワ眉間の縦ジワほうれい線老けて見える  年を取るにつれて新陳代謝が低下し、肌トラブルは増えますが、縦ジワは、特にストレスなど負の感情に伴ってできやすいとされています。 ストレス発散を心掛け、しっかりと睡眠時間を確保しましょう。

五臓とお肌の関係

東洋医学では、内臓の働き現す五臓(肝・心・脾・肺・腎)の働きが低下すると、肌に影響が表れるとされています。東洋医学的な観点から診ると、体質改善によって肌質も改善することが可能です。日常生活を見直して、低下した内蔵機能を高め、シワ・シミを改善しましょう。

五臓特徴肌との関係
肝(かん)血液を貯蔵し、血液や気の巡りを調節します。また感情を調整する働きもあります。 肝の機能が弱まると、気血の流れが滞り、意欲低下・イライラ感・不眠などといった情緒面と慢性頭痛・肩凝り・耳鳴・めまい・高血圧などといった身体面双方の症状を引き起こします。顔色が青白いくすみシミくま肌ツヤがない
心(しん)血液を全身に巡らせる働きと、精神・意識活動や自律神経の働きの2つの役割があります。 心の機能が弱まると、動悸、不整脈、息切れ、イライラ、不眠、不安感、冷え症、貧血や手足の冷え、などの症状が起こります。顔が蒼白(心の状態)顔が真っ赤(心の状態)  
脾(ひ)胃と共同して消化吸収を担い、気血水のもとを作り、全身に栄養を届ける機能があります。 脾の機能が弱まると、食欲不振、下痢、むくみ、疲労感、などといった症状が表れます。肌のきめが粗いカサカサ肌荒れむくみ
肺(はい)呼吸機能、必要な水分を皮膚に巡らせる、毛穴の開閉、発汗などを通じて体温調節を行うなど、皮膚のバリア機能や免疫力にも関係しています。また心の補助、血液運行とも密接に関係している。
肺の機能が弱まると、鼻や喉の粘膜の炎症や鼻水、風邪をひきやすい、などの症状が表れます。
顔色が白っぽい乾燥によるシワ  
腎(じん)生殖・泌尿器系を担い、その主な機能は、成長や発育に携わり、ホルモン系にも関系する器官です。水液を主り、骨、髄、歯、耳、髪、脳と密接な関係があります。 腎の機能が弱まると、歯や骨がもろくなる、白髪や耳鳴り、などの症状が表れます。血色が悪い乾燥肌小ジワたるみ

肝・心・脾・肺・腎の中でも、美容で最も関わりの深いのは肝・脾・腎です。肝・腎の機能低下だけでなく、特に脾、つまり胃腸の働きが悪くなると老化を早めると考えられています。なぜなら胃腸にかかわる脾が腎に悪影響を与えるからです。また肝の乱れからも脾の不調を招くことが多く、胃腸の健康を保つことがアンチエイジングにつながります。

肝・心・脾・肺・腎

このように五臓のひとつに問題が起こると必ず他の臓腑へも影響が及びます。表面にあらわれている問題(標)と根本原因(本)を見極めることで、複数の問題の結び付きを解消する可能性があることが、東洋医学の大きな特徴のひとつです。

【本コラムの監修】

恵比寿院長

HARRNY 院長/鍼灸師 菊地明子

・経歴
大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。

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