東洋医学で体質を診る

私たちハリニーでは、お客様の不調や全身の状態などから体質=『証』を立てて治療方法を決定します。この「証」とは、個人の体質、病因、病邪の位置=『証』を見極めることです。

『証』は、西洋医学でいうところの診断名とも言えますが、身体を全体的に捉えた東洋医学独特の診断法です。西洋医学に基づく病名が同じであっても、人によって『証』が異なることもあります。

東洋医学では『証』を立てる方法はいくつかあるのですが、最も基本的な見極め方法の一つが「熱証」と「寒証」です。

「熱証」は汗っかきで顔が赤く、ほてりが強い人。「寒証」は局所が冷えていて顔色が悪く、温かいものを飲みたがる人です。さらに2つの体質は、それぞれ「実証」と「虚証」とに分けられます。

東洋医学では、身体を巡る要素を「気」「血」「水」とし、これら3つの要素が体内をうまく巡ることによって健康が維持されていると考えます。

ここから病気の原因となる邪気の強い影響を受け、「気」「血」「水」の巡りが悪い状態が「実証」とし、体に必要な「気」「血」「水」が不足しているのが「虚証」です。

「実証」は、ほてりや充血などが起こりやすく、ほてり、寒がりから病気へつながることがあると考えます。「虚証」の人は病気への抵抗力が弱く、元気がないのが特徴です。

理想的は、「熱証」でも「寒証」でもないバランスが取れている状態です。「気」「血」「水」の巡りが良く、その量も過不足ない状態がベストになります。

 タイプ熱証はこんな人特徴
熱証代謝が活発過ぎるタイプ□ 汗をよくかく
□ 口が渇きやすい
□ 赤ら顔
□ 手足がほてりやすい
□ 体臭が強い
「実証」:胸の灼熱感や急な頭痛、発熱、喉の痛みなども起こりやすい。
「虚証」:体が弱り、熱を冷ます力が足りなくなることから熱感(のぼせや寝汗)が増大する。
寒証顔色が悪く手足が冷たい寒がりタイプ□ 顔色が白い
□ 温かい飲み物が好き
□ 手足がいつも冷えている
□ 頻尿で下痢を起こすことが多い
□ 冷えることで痛む(関節痛など)症状がある
「実証」:体に熱を保つ力は持っているが、冷たい食べ物、飲み物を過剰に取ることで体内に冷えがたまった状態。
「虚証」:体を温める「気」の不足により体の芯から冷えている状態。極度の寒がりがこのタイプ。

さらに5つのタイプに

「熱証」「寒証」を判断し、さらに「気」「血」「水」の状態によって、『証』を細かく立てます。このことで養生法(治療)がより具体的になります。

体質こんな人特徴
気虚典型的な虚弱体質の人疲れやすく気力に乏しい
□ 朝起きるのが苦手で、すぐに眠くなる
□ 立ちくらみがある
□ 胸がドキドキしやすい
□ 風邪をひきやすい
生命エネルギーである「気」が不足。内臓や免疫機能を働かせる「気」の不足から、疲れやすくて胃腸の働きが悪く、風邪をひきやすい虚弱体質に。
気滞すぐにイライラする人□ イライラしていて怒りっぽい
□ おなかが張る、月経前に胸が張る
□ 喉に異物感がある。胸がつかえる
□ げっぷやガスが出やすい
□ 下痢と便秘を繰り返している
張りや痛みを引き起こすことが多く、ガスがたまっておなかが張る、女性は月経前に乳房や下腹部が張るなど。ストレスが強いと痛みも増大しやすい。頭に気が巡らなくなると、めまいを起こすことも。
水毒水の巡りが悪くてむくみやすい□ むくみがある
□ 胃からチャポチャポとした水音がする
□ 雨の多い季節は具合が悪くなる
□ 太り気味でやせにくい
□ 痰(たん)や唾がよく出る
体が重く、だるくなるのが特徴。手足がむくみやすく、尿がすっきり出なくて量が少ない。または、嘔吐(おう と)やめまいを起こしやすく、雨の多い梅雨時になると具合が悪くなりがち。
血虚肌ツヤ、顔色の悪い栄養不足□ 肌や髪にツヤがなく、乾燥している
□ 手足に引きつりやしびれを感じる
□ 不安感が強く、夜なかなか寝つけない
□ 便が乾燥して硬い
□ めまいがして疲れやすい
血色が悪く、立ちくらみや手足のしびれなどが起こりやすい。栄養不足から髪や皮膚は乾燥し、爪も割れやすくなる。不眠や不安感なども血の不足から起こる症状。
 お血 血の巡りが悪い循環不良□ クマ、くすみ、シミが多い
□ 肌がどす黒く黒ずんでいる
□ 女性なら月経痛がひどい
□ 冷えや肩凝りがある
□ 頭痛などの痛みが強い
皮膚は黒ずみ、かさついている。顔色はどす黒く、目の下のクマが目立つ。頭痛や月経痛などの痛みが強く現れるのも特徴。血が滞って起こる疾患(心筋梗塞、脳卒中、痔)のリスクが高い。

東洋医学的体質診断から施術まで

このような、お客様の現在の状況を判断するために「四診(望診、聞診、問診、切診)」から推定していきますが、特に問診(カウンセリング)が重要になります。

どの診断方法を用いるか、また組み合わせて用いるかはその状況により変わってきます。

主な流れは、八綱弁証で大まかに寒熱・虚実を診て、次いで気血水(津液)弁証で気分・血分の状態を診て、経絡弁証を照らし合わせて、そして臓腑弁証で部位を検討していきます。最終的には「風寒表証」や「脾気虚証」というような『証』を立てます。
この『証』に基づいた治療法・ツボ・処方(論治)を決定していきます。そして、施術と効果を随時確認しながら治療していきます。

【本コラムの監修】

HARRNY 院長/鍼灸師 菊地明子

・経歴
大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。

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